(参照:衝撃の法話【住職は告白する】の続き)
「当時、エヴァンジェリストさんを見て、『なんとハンサムな人なんだろう』と思ったんですよ」
くどい!.....あああ、くどい!くどい!
「当時、エヴァンジェリストさんを見て、『なんとハンサムな人なんだろう』と思ったんですよ」
『忍者』はこの言葉を繰り返したのだ。
「当時、エヴァンジェリストさんを見て、『なんとハンサムな人なんだろう』と思ったんですよ」
法要で住職が、若き日のエヴァンジェリスト氏について語った言葉を『忍者』は繰り返したのだ。
「当時、エヴァンジェリストさんを見て、『なんとハンサムな人なんだろう』と思ったんですよ」
ちっ。デリカシーのない部下(『忍者』)に、ビエール・トンミー氏は舌打ちした。
エヴァの奴が、若い頃にハンサムであったことは、自分が一番よく知っている。高校一年からの友達だからだ。
しかし、自慢するわけではないが、自分も相当にハンサムであったのだ。いや、エヴァよりもずっとハンサムであったのだ。なのに、『忍者』の奴ったら…..
高校生の頃、校庭を歩く女子生徒たちは自分を見て、「ねええ、あの方って、とても素敵でなくって」と云っていたのだ。
「ねええ、あの方って、とても素敵でなくって」とちゃんと聞こえた訳ではないが、彼女たちの口の動きからそう云っているに違いないことは十分に察することはできたのだ。
そんな想いに口の端を歪め、『忍者』が側に控えたままいたことも忘れていたビエール・トンミー氏に、『忍者』が声をかけた。
「しかし、あの方はもう見る影もありませぬ」
ううん?
「つい先日のことです、東京は府中市の大國魂神社にこんなペンギンがおりました」
云うまでもない。それは、変り果てたエヴァンジェリスト氏の今の姿であった。
「これは、ファースト・ペンギンならぬファット・ペンギンです」
そうか、娘の結婚式だったんだな。それにしても、『忍者』の奴、「ファースト・ペンギンならぬファット・ペンギン」とは、上手いことを言いおる。
自らの老醜を忘れ、男は満悦の表情を浮かべた。
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