(参照:変態は憲法で認められている権利【ビエール・トンミー記念學院】の続きである)
「「私はまだ現役の年金老人である以上、私の名前を冠にするのは相応しくないし、そもそも、私が死んだ後であればまた別だが、何かそういう冠を付けたいのであれば、私の大友人である、たとえばエヴァンジェリスト君の名前とかをつけたらどうか?とな」
ビエール・トンミー氏は、そう答えたのだ、設立する學院を『ビエール・トンミー記念學院』としたいと云うトビマス理事長に。
「しかし、トビマス理事長は『ダメです、エヴァンジェリスト氏では』と云うのだ」
何故、『エヴァンジェリスト記念學院』ではダメなのだ?
「奴によると、『エヴァンジェリスト氏は助平ですが、変態ではありません』と云うことなのだ」
うーむ、それは否定できない。
「トビマス理事長は、エキセントリックな奴だが、云うことは意外に筋が通っている」
エヴァンジェリスト氏は、少しがっかりした様子が窺えた。
「そこで、提案したのだ。『珍宝の國記念学院』にしてはどうか、と」
確かに、『珍宝の國記念学院』でも、変態を教育理念に掲げる學院の名前に十分に相応しい。
『あえて勃つ珍宝となれ!』という學院のスローガンの言葉とも合致している。
「トビマス理事長は、『ビエール・トンミー記念學院』という名前に拘りはあったようだが、『珍宝の國記念学院』という名前を『有り難く頂きます』とは云った。…..しかし」
ビエール・トンミー氏は、ここで初めて本当に困った、という顔をした。
『この無礼者!』と云ってやった、と云った時のビエール・トンミー氏は、どこか芝居掛かった様子であったが、今回は心底困ったのだと見て取れた。
「しかし、奴は、こう云うのだ。『學院名は先生の仰せの通りとします。その代りに、先生の奥様に名誉學院長になって頂きたい』とな」
さて、ビエール・トンミー氏は、何故、困ったのか……..
(続く)
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