(参照:教育理念に共鳴【ビエール・トンミー記念學院】の続きである)
「しかし、だ。しかし、ボクはトビマス理事長に云ってやったんだ、『この無礼者!』とな」
突然、ビエール・トンミー氏はいきなり声を荒げたのであった。
「エロ写真の束でワシの諒解を得ようなんて奴は、教育者ではない!『無礼者、帰れ!』、と云ってやったんだ」
しかし、エヴァンジェリスト氏には、エロ写真にヨダレを垂らしている友人の様子が目の前に浮かんで見えた。
「ところが、理事長のトビマスの奴、大したもんだ。『変態は、憲法で認められている幸福を追求する権利なんです』と返してきたのさ」
大丈夫か、ビエール?エヴァンジェリスト氏は憂えた。
「『変態が憲法の権利であることを訴える為に、學院は、先生の名前を冠する必要があるのです』と、理屈に合ったことをいうのだ」
本当に大丈夫か、ビーエル?エヴァンジェリスト氏は大いに憂えた。ビエール・トンミー氏は、自分の数少ない友人、いや唯一の友人なのだ。
「そこまで云われると、ただダメとは云えないじゃないか。仕方がないから、、ボクは云ってやったんだ」
どうせ、ろくでもないことを云ったのであろう。友人だから、分るのだ。
「私はまだ現役の年金老人である以上、私の名前を冠にするのは相応しくないし、そもそも、私が死んだ後であればまた別だが、何かそういう冠を付けたいのであれば、私の大友人である、たとえばエヴァンジェリスト君の名前とかをつけたらどうか?とな」
な、何を云うのだ。まさかそんな提案をしていようとは、さすがのエヴァンジェリスト氏も想像だにしていなかった。
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿