2017年3月5日日曜日

『変態チョク語』を暗唱【ビエール・トンミー記念學院】



「君ならどうする?」

そう訊かれても、そんな質問も依頼も来たことはないので、エヴァンジェリスト氏は答えようがなかった。

「まあ、君にはそんなお願いは来ないだろうからなあ」

ビエール・トンミー氏は、相変らず無礼な奴である。

「まさか自分の身にそんなことが降りかかって来るとはなあ」

まあ、そりゃそうだ。『ビエール・トンミー記念學院』だなんて、尋常ではない。

『ただ、新しく作る學院に御名前を付けさせて頂きたいのではないのです』と云うのだ」

学校法神『トビマス学園』って、聞いたこともない。

『先生の思想に共鳴するのです』と云う訳さ」

ビエール・トンミー氏に思想なんてあっただろうか?

『変態チョク語を学院生たちに暗唱させます』とさ」

変態チョク語?何だそれは?

『先生の変態思想が、今のこの國を救うのです』とまで云われるとなあ」





そうかあ、『変態』も取りようによっては思想となるのか。

「いいんじゃあないのか、承諾しても」

エヴァンジェリスト氏は、適当にそう云ってみた。

「そうかあ、少し面映いがなあ」

と云いながらも、ビエール・トンミー氏は満更ではないようであった。



(続く)




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