(参照:【昇進試験】『おやすみ、チュッ、チュッ』の続き)
「おい、コレは何だ?」
ベッドの布団の中でトンが訊いた。
「このフニャフニャしたもの?」
ミーが答えた。
「そうだ、それだ。何やら臭うぞ」
「ふやけたソーセージみたいねえ」
猫たちは、異物に困惑していた。
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「いやあ、久しぶりだ。今年になって初めてだ」
ビエール・トンミー氏は裸になり、ベッドの中で、ある種の解放感に浸り、独り言ちた。
「ここまで来ると、妻に洗濯は頼めない」
今日、パジャマを洗濯したのだ。昨年末(2016年12月頃)に妻に洗濯してもらってっきりになっていた。寒くて、冬場はパジャマを身から離せない。
3ヶ月も洗濯していないと、さすがに臭う。この臭いを妻に嗅がせてはならなかった。
夫人は今でも夫のことを素敵な先輩と思っている。10も歳下の夫人は、同じ会社の後輩美人女性社員で、会社のマドンナ的存在であった。
そのマドンナが憧れたのが、ビエール・トンミー氏であったのだ。
マドンナは、男が「変態」であることを知らず、その容姿に騙されたのである。そして30年も経った今もまだ、騙され続けているのだ。
ビエール・トンミー氏は、妻との間だけは、イトナミの際も極めてノーマルに振舞っており、夫人は夫が「変態」であるなんて、夢想だにしていない。
「ふふっ」
くすぐったかった。布団の中で、何かぬるっとしたものに珍宝を触られた。
「トンか、トンだな」
そうだ。トンが鼻で珍宝を突いたのだ。トンはその時、思った。
「おい、コレは何だ?」
「ふふふっ」
またまたくすぐったかった。布団の中で、何か少し硬いものに珍宝を引っ掻かれた。
「ミーか、ミーだな」
そうだ。ミーが前足で珍宝を引っ掻いたのだ。ミーはその時、思った。
「何、このフニャフニャしたもの?」
ビエール・トンミー氏は、パジャマを洗濯し、乾くまで裸で猫2匹とベッドに入り、本を読んでいたのであった。「変態の法」という本である。
「そうか、トンもミーも知らないのだな。『原宿の凶器』と云われたものなのだがな」
ビエール・トンミー氏の会社は以前、原宿にあった。氏のソレは、『原宿の凶器』と呼ばれる程の威力を女性たちに対して有していたのである。
しかし、『原宿の凶器』も今はもう『○○の小器』となり、普段は、パジャマの下のパンツの中に大人しくしまわれている。
「しかーし!●●●子先生となら….」
ビエール・トンミー氏がそう思った瞬間、ベッドの布団の中で2匹の猫が噦いた。
「おえっ」
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「おえっ」
トンとミーは、思わず噦いた。
「な、な、なんだ!」
ビエール・トンミー氏が『しかーし!●●●子先生となら….』と思った瞬間、フニャフニャしていたものが急に怒張し、異臭を布団の中に放ったのだ。
「脱出!」
猫2匹は、布団から飛び出し、ベッドからジャンプしたのであった。
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