1966年のことであった。
広島市立皆実小学校6年生の子どもたちは、見てはいけないものを見てしまった。
50mを走りきった同級生のエヴァンジェリスト氏である。
12歳のエヴァンジェリスト氏は、その日、50m走で「6.9秒」という記録を出した。
小学6年生で50mを「6.9秒」というのは、今でも多分、相当に速い。1966年当時も、異常と云っていい記録であった。
であれば、同級生から賞賛されても良かったはずだ。しかし、誰も拍手せず、感嘆の声を出すこともなかった。
その時、エヴァンジェリスト氏の周囲に漂ったのは、戸惑いの空気であった。
エヴァンジェリスト氏は、してはならないことをしてしまったのだ。見せてはならないものを同級生たちに見せてしまったのだ。
その心は…….
(続く)
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