以下に記すのは、M-Files No.3である。1996年5月に仙台に向った三匹の『仕事人』の記録である。
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シショー・エヴァンジェリストの泊るホテルは、どうもエヴァンジェリスト氏のホテルとも、ヒトサシユビKのホテルとも違うホテルのようだ。
シショー・エヴァンジェリストが何故、自分の泊るホテルを同行者たちに明かさないのか、そに理由は分からなかった。
(参照:【実録】三匹の『仕事人』、仙台を行く(その2)[M-Files No.3]の続きである)
副部長のシショー・エヴァンジェリストと一応、課長職のエヴァンジェリスト氏と、そして、これまた一応、課長代理職のヒトサシユビKとは時々、一緒に地方に出張する。1996年の頃のことだ。
お客様の大半が地方の企業である。
3人はそれぞれ、月の半分くらい地方に出張していた。その頃(1996年の頃)、時々、協業先のハカセ社と一緒に地方各地で「セミナー」を開催していた。その時は、3人が一緒に出張した。
今回の「セミナー」は、仙台市での開催であったのだ。
この仕事はエヴァンジェリスト氏が一番長く、3年余り担当していた。シショー・エヴァンジェリストは1年程前から、ヒトサシユビKは3ヶ月前から、この仕事に就いていた。
エヴァンジェリスト氏の部署では、誰かと一緒に出張する時、普通は同じホテルを取っていた。そうしたい訳ではなかったが、普通はそうしていた。少なくともエヴァンジェリスト氏はそうしてきた。
しかし、その時の仙台出張では、シショー・エヴァンジェリストとエヴァンジェリスト氏、そして、ヒトサシユビKの泊るホテルは、別々となったのである。
出張中と云えども夜はプライベート・タイムであるから、宿泊するホテルが別々となったとしても、まあいいであろう。
シショー・エヴァンジェリストは、有名OK牧場大学の出身で、出世した同級生が全国にいるようだ。出張の夜も忙しいのであろう。
もっともエヴァンジェリスト氏も同じOK牧場大学の出身であるが、出世した同級生が全国にいる訳ではなかった。
しかし、さすがにシショー・エヴァンジェリストは副部長であった。
部下のエヴァンジェリスト氏の気持ちを慮ったのであろう、新幹線の切符の手配は、エヴァンジェリスト氏に依頼してきた。
「ディスカウント・チケット買うんだって?オレのも買っておいてくれるかな」
ディスカウント-「値引き!安い!」......という問題ではないのだ、きっと。いや、これは、シショー・エヴァンジェリストの優しさなのだ。
ホテルの件で1人取り残されたエヴァンジェリスト氏に、これ以上惨めな思いをさせまいとする副部長心なのであったのだろう。
(続く)
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