2012年5月30日水曜日

【朝ドラ】官ちゃん、出てもいいよ。



あの男(エヴァンジェリスト氏)の妄想は留まるところを知らない。

「カンちゃん、出てもいいよ」

最初は猪木さんのことかと思った。

猪木さんは、本名「猪木寛至」、あだ名は 「カンちゃん」なのである。ジャイアント馬場も猪木さんのことを「寛ちゃん」と呼んでいたのだ。

「いいんですか、猪木さんのことを『寛ちゃん』と呼んじゃって」
「はあ?君は何を云っているんだ?」
「だって、今、『寛ちゃん』って」
「相変らず君は何も分っていない。いくら親しいたって、猪木さんのことを『寛ちゃん』って呼ぶ訳がなかろう」
「親しい?」
「『寛ちゃん』ではなく『官ちゃん』だよ」
「『官ちゃん』?」
「『宮藤官九郎』君のことだよ」
「『官ちゃん』と呼ぶ程、親しいんですか?」
「『官ちゃん』も本当は嫌みたいだな」
「質問に答えないんですね、やはり。で、『官ちゃん』も、って、どういうことですか?」
「舘さん(舘ひろしさん)も朝ドラは本当は出たくないらしいことは君も知っているだろ」
「知っているも何も、昨日(2012年5月29日)のこのBlogにそのことをアナタが書かせたんじゃあないですか(参照:【石原プロ】舘さん、申し訳ない!)」
「『官ちゃん』も本当は嫌らしいんだ」
「宮藤官九郎が朝ドラに出るんですか?」
「出ない。出ないから嫌がっているんだ」
「もう、全く意味が分りません。分りたくもないですが」
「君は知らないのか?『官ちゃん』は来年(2013年)4月からのNHK連続テレビ小説(朝ドラ)の脚本を書くことになったんだ」
「へえ、そうだったんですか。目出度いじゃあないですか。宮藤官九郎は面白い脚本を書きますからねえ」
「しかし、『官ちゃん』は朝ドラなら、脚本を書くのではなく、自分が俳優として出たいらしいんだ」
「俳優でもありますからね。でも、宮藤官九郎・脚本の朝ドラは見てみたいですね」
「だろう。そこで、『官ちゃん』にやる気を出させる為に云っているんだ」
「何を?」
『官ちゃん』、出ても(出演しても)いいよ、ってさ」
「ああ、いいことですね」

勿論、いいことだ、なんて思っちゃいない。面倒臭いから話を合せただけである。

なのに、更に妙なことを云い出した

「『官ちゃん』、代りに書いてもいいよ」

ここまでくると頭にくるので云ってやった。

「いい加減にして下さい。アナタが朝ドラの脚本を書くくらいなら、私が書きます」

すると、完全に逆切れされてしまった。

「ふざけるな!自分を何様だと思っているんだあ!」

そう云いたいのはこちらの方だ、と、云う気力・体力がなくなっていた。





2012年5月29日火曜日

【石原プロ】舘さん、申し訳ない!



このBlogで「逮捕歴」があることが公表され(ご存じだと思いますが、逮捕歴と云っても、逮捕されたのではなく、逮捕したんですよ)、ちょっといい気になっているエヴァンジェリスト氏が、苦虫を噛み潰したような表情で呟いた。

「舘さん、申し訳ない!」

また始った。エヴァンジェリスト氏の「石原プロ病」である。

「今度は、どうしました?」

話につき合ってあげないとブツブツと文句を云い、面倒臭くなるので、一応、訊いてあげた。

「朝ドラだ」
「朝ドラ?NHKテレビ小説のことですね」
「舘さんは本当は出たくないんだ」

どうやら、舘ひろしが、この(2012年の)10月1日から始るNHK連続テレビ小説「純と愛」(NHK大阪放送局制作)に出演するらしい。夏菜が演じるヒロインが努めるホテルの社長役だそうだ。

舘ひろしが朝ドラに出演するのは初めてである。

「舘さんは、本当は朝ドラになんて出たくはなかったんだ」

確かに、舘ひろしは、記者会見で、朝ドラについて「真面目でつまんない」とか「基本的にワタクシ、朝ドラには向いてない」等と発言したと報道されている。

「私が煮え切らない状態だから、本当は朝ドラには出たくはなかったのに、出ることになったんだ。舘さん、申し訳ない!」
「煮え切らないもなにも、アナタの場合、煮ても煮なくても食える人ではありませんがね」
「私が身の振り方を決めておけば、舘さんは出たくもない朝ドラに出ることもなかったんだ。本当は、あの社長役は私が演じなければいけなかったんだ」

まあ、いつも通り、目出度い人である。




2012年5月28日月曜日

【実録】エヴァンジェリスト氏、逮捕!(その25)【最終回】…..[M-Files No.2]




【実録】エヴァンジェリスト氏、逮捕!(その24)…..[M-Files No.2]の続きである)



事件のあらましは、ざっとこんなところである。

エヴァンジェリスト氏は民間人でありながら、犯人を逮捕した


あなたが毎日乗る電車の1編成の中に、果たして民間人でありながら「逮捕」の経験を持つ人が何人いるだろうか

しかも「逮捕」に際し、指一本ふれなかった人は何人いるだろうか(ああ、それにシャツとパンツ姿で、おまけに裸足でね)。

且つ、その犯人に、警察の尋問への対し方の指導を垂れた奴は何人いるだろうか。

更に、取り調べの刑事に漢字を教えてやった者は、一体本当に、何人いるのだろうか。

以上のことより、このエヴァンジェリスト氏の「ノータッチ逮捕劇」はM-Filesに記録されるに値するものと認めるものである。

とはいえ、エヴァンジェリスト氏の心は晴れ晴れしいものではない。

自分(犯人)が悪いとはいえ、逮捕された犯人のその後の人生を考えてしまうんですよ。しかし、そんなことを考えていると逮捕なんかできません。

エヴァンジェリスト氏は刑事にはなれそうにありません(本人は、刑事ドラマに出演する気になっていますが)。でもそこに事件があれば逮捕はしなくてはいけません。そう、事件に遭遇するとまた逮捕してしまうんでしょうね。


以上






2012年5月27日日曜日

【実録】エヴァンジェリスト氏、逮捕!(その24)…..[M-Files No.2]







警察署からの帰りは被害者とそのお母さんと一緒に刑事さんの車で送って貰いました。

エヴァンジェリスト氏は、被害者とそのお母さんから、ひたすら感謝感謝されていました。刑事さんは、「結構この手の事件は多い」なんて云ってましたね。

エヴァンジェリスト氏の住む街は、文教都市で泥棒も少ないようでいて意外と多いんだそうです。

自分が「逮捕」ってことで図に乗った訳ではないんでしょうが、車の中でエヴァンジェリスト氏は、

「昔、独身時代、私は泥棒に入られたことはありますが、情けないことに何も、何一つ、盗られませんでした」

なんてつまんないことを自慢げに語っていました。



(続く)





2012年5月26日土曜日

【実録】エヴァンジェリスト氏、逮捕!(その23)…..[M-Files No.2]







この「指一本触れたわけではない」ことで刑事さん達も供述調書をとる際、困ってましたね。

腕ぐらい掴んでおいて欲しかったみたいで、

「腕掴んだことにしてもいいですか?」

と訊かれました。

「そうか、触っておいた方が面倒がなかったんですね。すみませんね。そうしておいてもいいですけど、後で裁判で事実と違うってことで問題にならなければいいんですが」

結局、嘘は書かないことになりましたが、捕まえない逮捕っていうことで異例の逮捕だったみたいですね

マダム・エヴァンジェリストは、

「あんたは口で逮捕したんじゃないの」

って後で云ってましたが。


(続く)






2012年5月25日金曜日

【実録】エヴァンジェリスト氏、逮捕!(その22)…..[M-Files No.2]







これ(謝礼金)は、「逮捕」に対してのものなんです。

そう、「逮捕」したのは、エヴァンジェリスト氏ということになるらしいんです。

緊急時、現行犯なら、民間人でも逮捕権があることは、エヴァンジェリスト氏も知ってはいましたが、指一本触れたわけではないですからね。いまいち「逮捕!」なんて感じではなかったですよね(「逮捕」は5月3日午前0時35分頃ということになっているそうです)。



(続く)



2012年5月24日木曜日

【実録】エヴァンジェリスト氏、逮捕!(その21)…..[M-Files No.2]







「彼」(若い刑事さん)が供述調書を書き終わると、エヴァンジェリスト氏はその内容確認を求められました。

「内容はいいんですが、誤字があるんですよぉ.....テイコウは、低抗ではなく、抵抗、テヘンだと思うんですが」

「あ、すいません」

と、頭ボリボリ。

そうして、帰る前、エヴァンジェリスト氏は謝礼金5千円を警視庁から(警視庁は都の管轄なので、つまりは都からです。要は、青島都知事[当時]から)貰いました

いらないとは云ったんだそうですが。「ま、決まりみたいなもんだから」、と。


(続く)




2012年5月23日水曜日

【実録】エヴァンジェリスト氏、逮捕!(その20)…..[M-Files No.2]







「お仕事の内容は?」

「主に○○向けの、●●●●の営業をしているんですが」

「ううん...」

供述調書にはエヴァンジェリスト氏が云ったままを結局書いてましたからOKですが、「カレ、分ってなかったな」のようです。


そんなやり取りの中、ベテラン刑事が取調室に入ってきます。

「いやあ、お疲れ様です。申し訳ありませんね、お手数をお掛けして。それにしても、なかなかできることではないですよ」

刑事ドラマを見ていると、取調べは、若くて、犯人をグイグイ問詰める刑事と、それを「まあまあ」となだめる刑事が出て来ますね。

若い刑事に対して反感を持ち、口を割らないぞ、と思っていた犯人も、酸いも甘いも噛み分けたようなベテラン刑事に「お前も大変だったんだよなあ」なんて、なだめすかされると、ほだされて、ついつい口を割ってしまいますね。

エヴァンジェリスト氏の取調べも、そういった若手とベテランの刑事コンビがあたるのでした。但し、エヴァンジェリスト氏には、口を割ってしまうような話はありませんでしたが。犯人ではないですからね。

「刑事ドラマをやるときの参考にはなったなあ」

いつ刑事ドラマをするのか知りませんが、そう、エヴァンジェリスト氏はのたまっていました。


(続く)



2012年5月22日火曜日

【実録】エヴァンジェリスト氏、逮捕!(その19)…..[M-Files No.2]







「エヴァンジェリストさん、会社での役職は何ですか?」

「ま、課長です」(当時、エヴァンジェリスト氏は確かに「課長」職でした)

「室長ではないんですか?」

これ、名詞を渡したからの質問なんです。名刺の肩書きは,「室長」でした。

「最近大体どこの会社でも、ライン上の役職とは別に、給与体系上の役職があるんですよ」

と、説明したものの若い刑事のあの顔はありゃ、理解してませんでしたね。


(続く)




2012年5月21日月曜日

【実録】エヴァンジェリスト氏、逮捕!(その18)…..[M-Files No.2]





供述調書の作成というのは、要は作文です。

エヴァンジェリスト氏から事情を訊きながら、刑事さんが文章をその場で書いていくんです。

エヴァンジェリスト氏担当の刑事さんは若い人でした。余り漢字が得意ではないようです。自分でもそう云っていました。

「オオウって、西に、えーっと復でいいんでいたっけ?」

と辞書を引こうとします。

「そうですよ」

世間の常識もあんまり持ち合わせてないようです。いい人だったようですけれどねえ(まあ、刑事なんだから、悪い人だったら困ります)。


(続く)




2012年5月20日日曜日

【緊急情報】あれが、グレープバイン・ホールドだ!



「あれが、グレープバイン・ホールドだ!」

どうにも我慢ならぬという表情で私に詰め寄ってきた。エヴァンジェリスト氏である。

ご存じの通り、今、このBlogは、大型シリーズ「エヴァンジェリスト氏、逮捕!」の連載の真っ最中なので、できるだけ他のテーマは取り上げたくなかったのだが、氏のあまりの剣幕にそうもいかなくなった。

今日というか昨日の深夜というか「ワールド・プロレスリング」(2012年5月20日午前2:50からの新日本プロレスの中継)でのことである。

プリンス・デヴィットとロウ・キーとのIWGP Jr.タイトル戦に於いて、ロウ・キーがプリンス・デヴィットにかけた技のことをアナウンサーは、卍固めである、とか、卍固めとコブラツイストの複合技である、とか、訳の分らないことを云っていたのは、確かに私も聞いた。
それは、卍固めでもなければ、卍固めとコブラツイストの複合技でもないことは私にも分った。コブラツイストでもなかった。

「あれが、グレープバイン・ホールドなんだ!」

エヴァンジェリスト氏は叫ばざるを得ないのだ。

以前、このBlogでグレープバイン・ホールドについて取り上げたことがあるが(参照:プロレス:コブラツイストとグレープバイン・ホールドは違う技)、確かに、あの試合でロウ・キーがプリンス・デヴィットにかけたストレッチ技は、エヴァンジェリスト氏が云うグレープバイン・ホールドであった

エヴァンジェリスト氏は、アナウンサーの無知が悲しい(あくまでエヴァンジェリスト氏の思いである)。解説の山﨑一夫にもご不満なようだ。


しかし、私が確認した限りでは、新日本プロレスの公式HPでも、あの技のことと思われるが、「卍固め」と書いているので、アナウンサーと解説者だけを責めるのは可哀想ではある。

「まあ、今のワールド・プロレスリングというか、新日本プロレスはどっちにせよ、つまらないから、どうでもいいと云えばいいのだが……」
「だったら、見なけりゃいいでしょ!」
「同じ今日(2012年5月20日)、BS11で放送のあった『IGFプロレスリング闘魂スペシャル~IGF5周年スペシャルGENOMEの進化~』の方がずっと面白かった。今時のプロレス・ファンには分らないかもしれないが、IGFと新日本プロレスはもう違うジャンルだなあ」

エヴァンジェリスト氏の云うことは、私には分らなくはないが、オーナーが変ったので(周知の通り、新日本プロレスはユークスからブシロードに売却された)、新日本プロレスも変るかもしれない。ブシロードの社長にして新日本プロレスの新会長である木谷高明氏は、猪木好きらしいので。




【実録】エヴァンジェリスト氏、逮捕!(その17)…..[M-Files No.2]






警察署には結局、明け方5時頃までいることになりました。

ウーロン茶は出してもらいましたが、食事は出ませんでした。勿論、カツ丼も(犯人ではありませんからね?)

エヴァンジェリスト氏は夕食を採らずに深夜残業をし、食事をする間もなく事件に巻き込まれてしまっていたんですが、まあ仕方ないですね。

そうそう、エヴァンジェリスト氏は、警察署に行くときにはもう服は着てましたよ。裸足でもありませんでした。面倒くさいから、素足にサンダル履きでしたけれど。後でマダム・エヴァンジェリストに「みっともない」と怒られたようですが。



(続く)




2012年5月19日土曜日

【実録】エヴァンジェリスト氏、逮捕!(その16)…..[M-Files No.2]





現場検証が終わると、被害者とその両親、そしてエヴァンジェリスト氏は、警察が供述調書を作成するのに協力する為、警察署まで刑事さんたちに同行して行きました。

エヴァンジェリスト氏がパトカーに乗ったのは、それが初めてです。そして、多分、最後になるんでしょうけれど(本人は、「刑事ドラマで乗ることになるかもしれんなあ」とは云ってますがねえ)

エヴァンジェリスト氏は、刑事事件に関ったことはありましたが、自身がパトカーに乗る(或は、乗せられる)ようなことはなかったのです。

小菅の拘置所まで「ある人」に面会に行ったことはありました。待合所では、多くの「その筋」の人たちや、「お姉さん」たちと一緒になりました。拘置所の中は、クレゾールの臭いがしたことが印象に残っています。

また、弁護士と一緒にその「ある人」の弁護の為に色々と打合せ、弁護戦略を立てもしました。法廷を傍聴したり、更に、法廷で証人台に立ちそうになったこともありました。

その刑事事件の法廷で修羅場を見ることにもなってしまったのです。


「義兄(アニッキー)!お袋は最後まで、アニキのことを実の子どもだと思っていたんだぞぉー!」

ああ、それはM-Files No.0とでも云うべき事件でした。それに関してはご存じの方(察しのついた方)もいらっしゃるかとは思いますが、いつかこのM-Files No.2のように記すことができるでしょうか。

……パトカーは乗ってしまうと、夜で暗かったこともあってか、普通の自動車と何ら変らない感じがしました。

「いやあ、大変でしたねえ。立派です。お手数をお掛けし,申し訳ありません」

刑事さんから、ねぎらいの言葉がありました。



(続く)



2012年5月18日金曜日

【実録】エヴァンジェリスト氏、逮捕!(その15)…..[M-Files No.2]






被害者である若い女性は、エヴァンジェリスト氏と同じマンションの3階の部屋に住む25歳の女性でした。エヴァンジェリスト氏が刑事さんと部屋に戻った時、その女性は泣きじゃくっていました。

まもなく現場検証が始まり、被害者の女性とエヴァンジェリスト氏とマダム・エヴァンジェリスト氏が立ち会いました。被害者のご両親も出てきました。


再現写真!も撮りました。犯人役は刑事さんです。

この間、マンションからは他に誰一人出てきませんでした。最初に被害者が襲われていた時もそうでした。これが都会なんでしょうか。


(続く)




2012年5月17日木曜日

【実録】エヴァンジェリスト氏、逮捕!(その14)…..[M-Files No.2]







「もう少ししたら警察が来るからね。暴れちゃダメだよ。とにかく本当のことを話しなさい。そうしたから許されるっていうもんじゃないだろうけど。警察は詰問めいたことをするかもしれないけど、ビビルことはないよ。勿論、反抗してもダメだけど」

5分程して警察がやって来て、エヴァンジェリスト氏は犯人の身柄を警察に引き渡しました。

その後、刑事さんとお巡りさん計7から8人がエヴァンジェリスト氏の部屋に上がり込み、被害者の女性とエヴァンジェリスト氏とエヴァンジェリスト氏の奥さんに、文字どおり入れ替わり立ち替わり質問してきました。

何回もいろんな刑事さんに名前や住所や事情を訊かれました。「代表がまとめてきけよ」って感じですよね。

一緒に追いかけてくれた青年は、自転車を投げ出したままだし、荷物も一旦家にもって帰りたいからといって行ってしまいました。でも、以後、戻ってきませんでした。


(続く)



2012年5月16日水曜日

【実録】エヴァンジェリスト氏、逮捕!(その13)…..[M-Files No.2]







「この3人の中で私は一番年寄りなんだから、走らせちゃダメだよ。それにこの格好じゃ、こっちが犯人じゃない..........あっ、水たまりがあるから、もうちょっと真ん中歩いてくんない」

後で分ったところでは、犯人は27歳でした。

マンションまで戻り、エヴァンジェリスト氏は奥さん(マダム・エヴァンジェリスト)に

「他とダブってもいいから110番して」

と云い、青年と一緒に犯人を挟むように立って警察が来るのをマンションの入り口で待ちました。勿論まだ、パンツとシャツに裸足のままです

マダム・エヴァンジェリストは、犯人追跡はエヴァンジェリスト氏に任せ、マンションに戻り、襲われた女性を自宅マンションに保護していたのです。


(続く)



2012年5月15日火曜日

【実録】エヴァンジェリスト氏、逮捕!(その12)…..[M-Files No.2]







「とにかく戻ろう」

エヴァンジェリスト氏は犯人に促しました。青年には同行を依頼しました。観念しているように見受けられるものの、また逃げ出すかもしれませんからね。

マンションに戻りながら、エヴァンジェリスト氏は訊きました。

「どうしてあんなことしたの?」

「3日位前、駅で見かけて、一目惚れして.....今晩、声をかけようと思ったら騒がれちゃって.....」

「それが本当かどうか、私には分らない。でもそれが本当ならありのままを警察に云った方がいい。もし別のことが本当なら、それを正直に云った方がいい。とにかく本当のことをね。嘘を云うとそれにまた嘘を重ねなくてはいけなくなって事態はもっと悪くなるよ。これでオシマイって訳じゃないんだから」

犯人コクリ。


(続く)



2012年5月14日月曜日

【実録】エヴァンジェリスト氏、逮捕!(その11)…..[M-Files No.2]






「泥棒ですよね?」

一緒に追いかけてきてくれた青年がエヴァンジェリスト氏に訊ねます。

「いや、女性を襲っていたんです」

エヴァンジェリスト氏は既にその時、犯人に技を仕掛ける必要のないことに気付いていました。

犯人の目は観念していました。

何故、観念したのか?

走り疲れてもう逃げられないと思ったのか、「泥棒!!!!!誰か警察に電話して!!!!!」という青年の声に程なく警察が来ると思ったのか、2人の男に追いかけ続けられたからなのか、はたまた着のパンツとシャツで、しかも裸足で追いかけてくる男が不気味で恐かったのか


(続く)