「とにかく戻ろう」
エヴァンジェリスト氏は犯人に促しました。青年には同行を依頼しました。観念しているように見受けられるものの、また逃げ出すかもしれませんからね。
マンションに戻りながら、エヴァンジェリスト氏は訊きました。
「どうしてあんなことしたの?」
「3日位前、駅で見かけて、一目惚れして.....今晩、声をかけようと思ったら騒がれちゃって.....」
「それが本当かどうか、私には分らない。でもそれが本当ならありのままを警察に云った方がいい。もし別のことが本当なら、それを正直に云った方がいい。とにかく本当のことをね。嘘を云うとそれにまた嘘を重ねなくてはいけなくなって事態はもっと悪くなるよ。これでオシマイって訳じゃないんだから」
犯人コクリ。
(続く)
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