2023年1月14日土曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その2)

 


「トゥルントゥ」


ベッドサイドに置いてあったiPhone 14 Pro が震え、『ホルン』音がなり、目を覚ましたビエール・トンミー氏は、片眼を開け、手を伸ばし、FaceIDでロック解除した。


「(ふん!朝っぱらから!)」


見るまでもなく、『ホルン』音で、それが、友人のエヴァンジェリスト氏からのiMessageであることは分っていたが…


「(なんだ。昨日の続きか)」


友人は、しつこくも『チョコガム問題』について、クレームを入れてきていたのだ。



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「昨日の質問なんじゃが、アンタが、『デラシネ牛田中学生』の頃、つまり1967年頃じゃったら分らんでもないんじゃ。いや、その頃、チョコレートが1個105円で、ガムが1個5円じゃったかどうかも怪しいがのお。それにガムの1個いうんは、6枚入りのが1個なんか、1個5円じゃのうて、正確には、1枚5円なんかもよう分らん。アンタが出してきた問題は、ちょっと前提が不十分じゃあ、思うで」

「また屁理屈かいな」

「少のうても、今時、5円のガムなんかないで。それに、大体、消費税のことが考慮されとらんのがおかしいで。消費税を考慮に入れたら、計算、難しいで。対象が食品じゃけえ、税率は8%じゃろ。とすると、割り切れるんかのお?」

「ハイ、ハイ。そうですか、そうですか」

「それに、ガムが10円でも必ずしも間違うてないかもしれんよ。ガムが10円、チョコが110円。で、セット買うと、値引きされて110円になったんかもしれん。セット販売とか、値引きがあったとかなかったとかの言及がないけえ、問題はやっぱり不十分じゃ。世の人間は、素直すぎるんじゃ。与えられた問題、それ自体を疑わず、ただただ素直に回答しようとするもんじゃ。じゃが、与えられ問題に、『問題』があるかもしれん。提示された前提が妥当ではないかもしれん。或いは、前提自体が、条件不十分なもんかもしれんし、問題提示者自身が気づかん条件が漏れとることもあるかもしれんけえね。」

「ハイ、ハイ。そうでしょう。そうでしょう。でも、ええか。この『チョコガム問題』に関する調査結果を教えたるで


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・調査日 2023/1/11

・対象者.   3名

・結果  正解2名、回答拒否1名

・詳細

  ⓵妹   正解(回答時間10分)

  ②家内    正解(回答時間不明)

  ⓷下劣人 回答拒否、妄言を吐く

・考察

トンミー家関係人は、いたって正常な思考回路を持ち健全と判断する。下劣人の反応は当初の予想の範囲の反応を示す。甚だしく異常であると判断する。背景には鬼畜の家系の遺伝的影響が有るものと推察される。

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どないじゃ」

「下劣人いうんは、ワシのことじゃろ?最上級の褒め言葉じゃのお。有難や、有難や。こんたびのアンタの質問は、ホンマ、有り難いで。多分、『プロの旅人』氏が、ネタにすることじゃろ。アンタ、もう読んどらんじゃろうが、1年以上もダラダラ続く『【牛田デラシネ中学生】変態の作られ方』の箸休めネタを読みたかったけえね。その箸休めネタの中で、ワシは、アンタから徹底的にこき下ろされるんじゃろうけえ。なんか、ワクワクするで。こうような反応は、歪んとるんじゃろうか?」

「甚だしく異常である」


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と、返信すると、ビエール・トンミー氏は、寝起きの『オシッコ』へとトイレに立った。


そして、座り『オシッコ』をしながら(そうしないとマダム・トンミーに叱られる)、




「(ホントにアイツは、『甚だしく異常』だ)」


と、思いつつも、ビエール・トンミー氏は、自分がまたその『甚だしく異常』な友人にメッセージを送ること、また、何か、自分が興味を惹かれた問題を友人に提示してしまうことを知っていた。


他に友人はいないからである。



(続く)




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