2023年1月19日木曜日

チョコガム問題【非ハーバード流屁理屈論】(その7)

 


トゥルントゥ」


また、『ホルン』音が鳴った。ビエール・トンミー氏が、もう50年も前の大学受験の頃を思い出している間に、iPhone 14 Proが、ロック画面になっていたのだ。


「(けっ!なんで、いちいちアイツの戯けた顔を見ないといけないんだ)」


iPhone 14 Proのロック画面の友人のエヴァンジェリスト氏の戯けた画像が、エヴァンジェリスト氏からのiMessageの着信を示していた。



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「どしたんね?アンタ、ひょっとしてロリコンやったんかいねえ?」

「このどアホがあ!『快楽』や、ああ、『快楽』や」

「ああ、最近は、『熟女』がようなったん?」

「アンタ、ホンマにオゲレツやなあ。『アーミッシュ』とはえらい違いや」

「また、『アーミッシュ』なん?」

「またやないで。さっきから『アーミッシュ』のこと、話してたやんか。それをアンタが、妙な方向に話を持ってっただけや。ええか、『アーミッシュ』はなあ、『快楽』禁止なんや。『快楽』ばっかし求めとるアンタとはえらい違いや」

「えええ!ほうなんねえ。『アーミッシュ』いうんは、しんどい人たちじゃねえ」

「アンタの考える『快楽』だけ禁止なんやないんや。総ゆる『快楽』が禁止なんや。酒もタバコもアカンねん。それどころかやなあ、『アーミッシュ』は、現代でも電気を使わず、車も使わず馬車だけ使い、移民当時の衣服を着て質素な生活をしとるんや。自動車の走ってとる道の横を馬車に乗っとる光景をアンタ、見たことないんか?それ、『アーミッシュ』やで」

「ああ、ニューヨークの街中を馬車が走っとるんは、見たことあるで。ニューヨーク行った時に見たんじゃったか、テレビで見たんかは忘れたけどのお」

「アホ、それは、観光用や。『アーミッシュ』が住んどるんは、アメリカのペンシルバニア州なんかの田舎や。カナダのオンタリオ州にも住んどるらしいんやけどな」

「ふん!まあ、ニューヨークでもペンシルバニアでもええけど、『アーミッシュ』も甘いのお」

「なんやて!」


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「(怒ることではないが、アイツ、ボクの云うことにいちいちケチをつけてくるのが、ムカつく)」


と、ビエール・トンミー氏は、ベッドサイドのテーブルに置いた本『アーミッシュの老いと終焉』に眼を落とした。


「(アイツ、『アーミッシュ』の爪の垢でも煎じて飲めばいいいんだ)」





(続く)





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