「(ボクが、フランス語については、『il』と『elle』くらいしか知らないのに、大学でフランス語経済学は『優』をとれたのは、まさにアイツのサポートがあったからだ。アイツに、試験に当たって、教科書の中の出題範囲の『SNCF』[フランス国有鉄道]に関する部分をフランス語を翻訳してもらい、その訳を丸暗記したからだ)」
と、ビエール・トンミー氏は、友人のエヴァンジェリスト氏に対する感謝の気持ちは今でも持っていないではなかったが、
「’(だが、全く分らないフランス語の文章をイメージとして記憶し、試験でその部分が出てきたら、丸暗記したその部分の日本語訳を書くことで『優』をとるのも一種の才能じゃないか!)」
と、自分のことを何かにつけて『SNCFの大家』と云ってくる友人のエヴァンジェリスト氏の嫌味に対して反論したい気持ちはあった。
だが、相手がどう出てくるのかよく分からず、迂闊なことを云うとやぶ蛇になるので、取り敢えず、当たり障りのない返信iMessageを送ることとした。
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「おお、そうじゃ、『蝮』のことじゃ」
「『間違ってはいないが、正解ではない』いうんは、『François MAURIAC』の『蝮の絡み合い』の主人公の男が、妻に対して『君は嘘をついていた訳ではない、この嘘つきめ!』と思うたんとおんなじような感じじゃね」
「え?ん、まあ、せやったかいな」
「主人公の男は、結婚前に妻となる女性の涙を見て幸せな愛の涙だと思ったんじゃが、後に、妻には、自分と結婚する前に好きな男がおったこと知って、『確かに、君は、私の側にいたから泣いたのだ。……私の側にいて、別の男の側にいたのではなかったからなのだ』と思うたけえ、『君は嘘をついていた訳ではない、この嘘つきめ!』と云うたんじゃったよのお」
「お、おお、おお、そうじゃった」
「『プロの旅人』氏も、『【曲がったことが嫌いな男】石原プロに入らない?入れない?』で、そのこと書いてくれとったし」
(参照:【曲がったことが嫌いな男】石原プロに入らない?入れない?[その60])
「ああ、あのくだらんBlogのことはどうでもええが」
「ノーベル賞作家『François MAURIAC』とおんなじような表現が云えるアンタあ、やっぱり凄いで。『ChatGPT』なんか敵じゃないで。『間違ってはいないが、正解ではない、ということをちゃんと説明できるじゃけえ。ワシ、今度から、アンタのことを『ChaTONMIE』と呼ぼうかいねえ」
「おお、そうじゃ、いや、『ChaTONMIE』やのうて、『間違うとらへんけど、正解やない』ことや、問題は。エエか、『アーミッシュ』の若もんは、大人になる前に、親から離れて自由に過ごす時期があるんや。それは、『ChatGPT』の云う通りやな」
「ほいじゃけえ、『ChatGPT』の回答は、間違うとらん、いうことなんじゃね。で、なんで、間違うとらんのに、それが正解じゃあないん?」
「おお、そこやで。『自由に過ごす』いう意味、分るかいな?この『自由に』いうんは、アンタ好みの意味なんや」
「おお、そういうことなんじゃね!」
「せやで、まずはな、普通のアメリカの若もんとおんなじような服着たり、化粧したり、クルマの免許とって運転したりするんや。映画見たり、スポーツの試合みにったりもするんや。『アーミッシュ』ならやらんことやな」
「でも、それだけじゃないんじゃろ?」
「せや。アンタの期待通りのことする輩もおるみたいなんや」
「おお、おお、おお!期待するでえ!」
「タバコ吸うたり、酒飲んだりするんや。ドラッグするんもおるし、パーティーしたり、勿論、デートもするんや。そうきたら、ほれ、アンタがいっちゃん期待しとることもするねんで」
「おお、おお、おお!『んぐっ!』なんじゃね!」
「その言葉、ワテ嫌いねんけど、まあ、せやな。これが、『ラムシュプリンガ』なんや。『ラムシュプリンガ』は、『ChatGPT』の云う通り、『アムishの若者が青年期に経験するための社会的な時間帯』じゃし、『この時期には、彼らは両親から独立し、社会に出て、一般的な文化や慣習を体験する』んは、まあ間違おとりはいてへんが、そん中身をもっと説明せな、正解やない、ちゅうことなんや」
「『ChatGPT』は、『んぐっ!』を知らんのんじゃね」
「『ChatGPT』やのうても、誰もそないなもん知らへんやろ。それより、もちょっと説明するとやな。『アーミッシュ』の若もんは、この『ラムシュプリンガ』を経て、『アーミッシュ』になるかどうか判断して、なろうと思うたら『アーミッシュ』としての洗礼を受けて、ようようホンマもんの『アーミッシュ』になるんや。それまでは、『アーミッシュ』の子どもは、正式にはまだ『アーミッシュ』やあらへんねんで」
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「ふうーっ」
と、ビエール・トンミー氏は、吐息を漏らした。そして、その吐息は、自身の知識をようやく披露できたことの満足感となって、ビエール・トンミー氏の全身を心地よく包んだのであった。
(続く)
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