「(ふん!どうせ、程なく、またオゲレツ話に持ってくるつもりだろうよ)」
と、ビエール・トンミー氏は、右手に持つiPhone 14 Proの画面の向こうに、ニヤつく友人エヴァンジェリスト氏の顔を見た。
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「『イゾラド』はのお、もう最後の一人も死んで、いのうなってしもうたみたいなんじゃが、原始的な生活しとったんじゃけえ、多分、そりゃ、『アーミッシュ』よりずっと昔ながらの生活じゃろう思うんよ」
「それはまあ、そうじゃろうて」
「『イゾラド』以外にも、世界にはようけえ、『未接触部族』いうんがあるらしいんよ。そうような部族は、ワシ、会ったことないんじゃが、多分、『イゾラド』と同じで、所謂、『文明的』な生活はしとらんじゃろう、思うんよ(ワシらの生活が『文明的』かどうかは、ほんとのとこは分らんけどのお)。勿論、馬車にも乗っとらんじゃろう。そうような人たちと比べるとジャ、『アーミッシュ』は甘いで。馬車に乗ったりしとるんじゃろ?」
「まあ確かに、そうかもしれへんけど」
「それに、「アーミッシュ』が、『移民当時の衣服を着て質素な生活をしとる』いうことは、ちょっと古めかしいけど、服を着とるんじゃろ?」
「それはそうや」
「『未接触部族』いうんは、多分じゃが、服は全然着とらんか、股間をちょこっと隠すくらいのことしかしとらんかもしれん」
「まあ、せやろなあ。自然に生きとるんやろな。それはそれでエエことかもしれへんで」
「ほうじゃろう。うん、アンタも、じゃけえ、家の中で、パンツ一丁でおるんじゃろ?証拠写真あるで、これや」
「やめれ、やめれ!アンタ、この写真持ち出す為に、『イゾラド』とかの話してきたんか」
「『文明社会』に生きるアンタは、『自然に生きる』ことの意義を思ってパンツ一丁になっとるんじゃろ」
「お、おお、おお。せやで。決して、変態行為ではないで」
「じゃが、『未接触部族』の人たちは、『自然に生きとる』とは思うとらんじゃろ。『自然に生きてるって わかるなんて 何て不自然なんだろう』いうことじゃろう」
「おお、たまには、エエこと云うやないか」
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と、珍しく、友人のエヴァンジェリスト氏を褒めたが、ビエール・トンミー氏は、まだ何か引っ掛かるものを感じていた。
(続く)
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