2017年11月25日土曜日

「Windowsですか?」(その2)[流涎のビエール・トンミー氏]



搭乗したJANA機内でのことである。

「お仕事中、失礼します。飲み物は何になさいますか?」

と、飲み物サービスのスチュワーデス(CA)に訊かれ、

「りんごジュースをお願いします」

と、ビエール・トンミー氏は答えた。

スチュワーデス(CA)は、りんごジュースを入れたコップをビエール・トンミー氏にそっと差し出し、ビエール・トンミー氏は、手をコップに伸ばした。

その時、ビエール・トンミー氏のごつい指とスチュワーデス(CA)の白く細い指が触れ合った。

「はっ」

として、ビエール・トンミー氏はコップから視線を上げた。

スチュワーデス(CA)は、顔にスマイルを浮かべた。

「いえ、わざとじゃないんです!」

ビエール・トンミー氏は、そう云いたかった。






粒揃いJANA機のスチュワーデス(CA)の中でも、その時、飲み物サービスをしていたスチュワーデス(CA)は、特に美人であったが、顔だけではなく、指もなかなかに綺麗であった。

前方席の乗客に飲み物を渡すそのスチュワーデス(CA)の白く長い指を見た時、

「舐めたい」

ビエール・トンミー氏は、思わず、心の中でそう呟いた。

「でも、わざとじゃないんです!」

自分のごつい指とスチュワーデス(CA)の白く細い指が触れ合ったことについて、そう抗弁したかった。

「ええ、『舐めたい』とは思いました。少し前から貴女の指を見て、『ああ、舐めたい』と思ったことは否定はしません」

抗弁するつもりが、スチュワーデス(CA)の白く細い指を思い出し、更に『舐めたい』気持ちが募ってしまった。

「ああ、貴女の指と指の間の谷間も舐めてしまいたい!」

と思いながら、スチュワーデス(CA)の指が触れた自分の指を口に持っていくと、舌を出して舐めた。

半開きの口から、涎が流れた。




(続く)






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