2017年11月26日日曜日

「Windowsですか?」(その4)[流涎のビエール・トンミー氏]



JANA機に搭乗したビエール・トンミー氏は、Windows の Outlookで仕事のメールの下書きを始めた。

しかし、頭の中では、飲み物サービスするスチュワーデス(CA)の白く細い指が、白蛇のように蠢いていた。

「舐めたい」

と、思わず、心の中でそう呟いたが、それに留まらず、

「ペロペロ」

ふと、気付くと、メールにそう打っていた。






「いかん、いかん」

Deleteキーを4回叩いた。そして、隣をチラッと見た。

「ペロペロ」

を、隣の席の男に見られてはいないか確認したのだ。

隣の男は、口を開けて眠っていた。

その時であった。

通路側の席に座っていたビエール・トンミー氏の横の通路を爽やかな微風が通り過ぎた。

口を開けて眠っていた男の方から、視線を反対側に向けた。

スチュワーデス(CA)であった。白蛇の指のスチュワーデス(CA)であった。

ビエール・トンミー氏の視線は、スチュワーデス(CA)の後ろ姿を追った。

臀部も程よい大きさであった。ビエール・トンミー氏の視線は落ち、スチュワーデス(CA)の脚を捉えた。

「舐めたい」

また、そう思ってしまった。美脚であった。歩く際のふくらはぎの動きが、堪らなかった。

「ペロペロ」

ブラインド・タッチで、ビエール・トンミー氏の指は、再びキーボードをそう叩いていた。



だが、忘我のビエール・トンミー氏の視線が止まった。スチュワーデス(CA)の美脚が歩みを止めたのだ。


(続く)






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