2017年11月29日水曜日

「Windowsですか?」(その7)[流涎のビエール・トンミー氏]



ビエール・トンミー氏を魅入らせたJANAの白蛇の指のスチュワーデス(CA)のピンクの唇は、

「アイ・ブック」

と云ったようであった。

「アイブック?......何だろう?..........I book…….予約する?」

ビエール・トンミー氏の頭は混乱した。

しかし、ビエール・トンミー氏の頭をもっと混乱させたのは、スチュワーデス(CA)の笑顔であった。

スチュワーデス(CA)が、話し掛けた乗客に向けた笑顔は、営業スマイルではなかったのだ。

しかも、笑顔だが、どこか悩みを秘めた微妙な表情であったのだ。

スチュワーデス(CA)とその乗客(男)は、どんな関係なのか?

「一体、何者だ!?」






「一体、何者だ!?」

ビエール・トンミー氏は、スチュワーデス(CA)が微妙な笑顔で声を掛けた前方席の男のことが気になった。

スチュワーデス(CA)が、白蛇の指を揃え、前方席の男の手元を指した。ビエール・トンミー氏の舐めるような視線はその動きを追った。

「舐めたい」

と、またまたまた、思わず、心の中でそう呟きながらも、ビエール・トンミー氏は、スチュワーデス(CA)の指の先にあったものが気になった。

美しい白蛇の指の先にあったものは、つまり、前方席の男の手元にあったものは、光沢を湛えた白いものであった。スチュワーデス(CA)の指に負けず美しいものであった。



ビエール・トンミー氏は、目を凝らした。

「パソコンだ……ノートPCだ」

そう、スチュワーデス(CA)は、前方席の男の白く美しいノートPCを指しながら、男に話し掛けていたのだ。

今、ビエール・トンミー氏は、スチュワーデス(CA)が前方席の男に向け発した言葉を理解した。


(続く)




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