ビエール・トンミー氏を魅入らせたJANAの白蛇の指のスチュワーデス(CA)のピンクの唇は、
「アイ・ブック」
と云ったようであった。
「アイブック?......何だろう?..........I book…….予約する?」
ビエール・トンミー氏の頭は混乱した。
しかし、ビエール・トンミー氏の頭をもっと混乱させたのは、スチュワーデス(CA)の笑顔であった。
スチュワーデス(CA)が、話し掛けた乗客に向けた笑顔は、営業スマイルではなかったのだ。
しかも、笑顔だが、どこか悩みを秘めた微妙な表情であったのだ。
スチュワーデス(CA)とその乗客(男)は、どんな関係なのか?
「一体、何者だ!?」
「一体、何者だ!?」
ビエール・トンミー氏は、スチュワーデス(CA)が微妙な笑顔で声を掛けた前方席の男のことが気になった。
スチュワーデス(CA)が、白蛇の指を揃え、前方席の男の手元を指した。ビエール・トンミー氏の舐めるような視線はその動きを追った。
「舐めたい」
と、またまたまた、思わず、心の中でそう呟きながらも、ビエール・トンミー氏は、スチュワーデス(CA)の指の先にあったものが気になった。
美しい白蛇の指の先にあったものは、つまり、前方席の男の手元にあったものは、光沢を湛えた白いものであった。スチュワーデス(CA)の指に負けず美しいものであった。
ビエール・トンミー氏は、目を凝らした。
「パソコンだ……ノートPCだ」
そう、スチュワーデス(CA)は、前方席の男の白く美しいノートPCを指しながら、男に話し掛けていたのだ。
今、ビエール・トンミー氏は、スチュワーデス(CA)が前方席の男に向け発した言葉を理解した。
(続く)
0 件のコメント:
コメントを投稿