2017年11月27日月曜日

「Windowsですか?」(その5)[流涎のビエール・トンミー氏]



JANA機内スチュワーデス(CA)が歩く際のふくらはぎの動きが、堪らず、

「舐めたい」

と、思わず、心の中でそう呟いたが、それに留まらず、

「ペロペロ」

ブラインド・タッチで、ビエール・トンミー氏の指は、キーボードをそう叩いていた。

だが、忘我のビエール・トンミー氏の視線が止まった。スチュワーデス(CA)の美脚が歩みを止めたのだ。






白蛇の指のスチュワーデス(CA)は、ビエール・トンミー氏の数列前の席の横で美脚の歩みを止めた。

ビエール・トンミー氏は、凝視していたスチュワーデス(CA)のふくらはぎから、視線を上げた。

スチュワーデス(CA)が横顔を見せた。そして、ピンクの唇が、スローモーションのようにゆっくり、ゆっくり、ゆっくり開いていった。

「舐めたい」

と、ビエール・トンミー氏は、またまたまた、思わず、心の中でそう呟いた。

そして、ビエール・トンミー氏は、自分の口も半開きにした。

半開きのビエール・トンミー氏の濁った茶色の唇の間から、湿った赤茶色の毒蛇のようなものが、ゆっくり、ゆっくり、ゆっくりと頭を出してきた。

毒蛇は、体をくねらせ、ビエール・トンミー氏の唇に吸い付き、ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり唇を舐め、周っていった。



毒蛇は、ビエール・トンミー氏のノートPCのキーボードが、『カタカタ』と鳴っていたことに気付かなかった。

「ペロペロ」

ブラインド・タッチで、ビエール・トンミー氏の指は、三度(みたび)、キーボードをそう叩いていたのだ。



(続く)





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