(夜のセイフク[その34]の続き)
エヴァンジェリスト君は、ビエール・トンミー君が思った以上に、『ブラック・ホール』な存在であった。
冊子『何会』に『土埃が舞い込むその時、知っていた….』という『詩』のようなものが掲載された翌週であった。
ビエール・トンミー君は、
「『何会』は解散したよ」
とエヴァンジェリスト君に告げられたのだ。
1970年の広島県立広島皆実高校1年7ホームの教室である(クラスのことを皆実高校では『ホーム』と呼んだ。今もそうかもしれない)。昼休みであった。
「(『何会』に入ったつもりはなかった……なのに….)」
入ったつもりではなかった『会』を勝手に解散されてしまい、がっかりする自分を知った。
「(何者なのだ、エヴァ君は……)」
自分の意思とは無関係に翻弄されるのだ。得体の知れぬ友人に吸い込まれていってしまっている。
「『ブラック・ホール』….」
と、思いを思わず口にした時であった。
「今度は、『トーダイに入る会』だからね」
美少年な『ブラック・ホール』は、想定外のものを吐き出してきた。
(続く)
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