(夜のセイフク[その35]の続き)
「君も会員だからね」
とエヴァンジェリスト君に一方的に告げられた時、ビエール・トンミー君は、
「は?」
と反応するのがせいぜいであった。
「トーダイに入ろうね。君も『トーダイに入る会』の会員なんだからね」
エヴァンジェリスト君は、言葉を重ねて来た。
「(『トーダイ』って……….灯台じゃあないだろうし、まさか…..)」
ビエール・トンミー君の疑問を察したのか、
「だって、『男は東大、女は御茶ノ水』だからね、ふふ」
と、エヴァンジェリスト君が説明をした。
1970年の広島県立広島皆実高校1年7ホームの教室である(クラスのことを皆実高校では『ホーム』と呼んだ。今もそうかもしれない)。昼休みであった。
「(そうか、そういうことなのか!)」
ビエール・トンミー君には、合点した。
「(アカモン先生だ!)」
(続く)
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