(夜のセイフク[その38]の続き)
「(『何会』は何の『会』かよく分らなかった。でも、『東大に入る会』は『会』の目的が明確でいい!)」
と思った、その時、ビエール・トンミー君は、『東大に入る会』の会長であるエヴァンジェリスト君がもう側にいないことに気付いた。
「君も会員だからね」
という聞き慣れた声が、教室の入り口近くの席から聞こえて来た。
1970年の広島県立広島皆実高校1年7ホームの教室である(クラスのことを皆実高校では『ホーム』と呼んだ。今もそうかもしれない)。昼休みであった。
「はあ?」
ミージュ・クージ君は、エヴァンジェリスト君に何を云われているのか理解できないようでいた。
「(何故だ!?)」
エヴァンジェリスト君が、ミージュ・クージ君を誘っている様子を遠目に見て、疑問、というよりも、むしろ怒りを覚えた。
(続く)
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