「エヴァさん、曲がれるよね?」
列のすぐ前にいた女性が振り向いて云ったその言葉を聞いた時、エヴァンジェリスト氏は、広島市内の少年ソフトボール大会の決勝で、9回裏2アウト、ランナーなしの状況でも、真っ向勝負で三球三振を喫したが、それも『曲がったことは嫌い』で『真っ向』勝負の結果なのだから、そのことを恥はしない、と思った。
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「おおーっ!」
1979年、上井草のエヴァンジェリスト氏の下宿の『汲み取り式便所』の白い便器カバーを取ったビエール・トンミー氏は、余りの臭気に、気を失ってしまいそうになった。
「マズイ!このままでは、『ブラック・ホール』に吸い込まれる」
と、意識をなんとか持ち直し、ズボンの『社会の窓』を開けた。
そして、『窓』から『お宝』を取り出し(『お宝』は大き過ぎる程大きく、ビエール・トンミー氏は、それを『窓』から取り出すのにいつも苦労した)、『お宝』から、やや黄色がかった『水』を『ブラック・ホール』に放出した。
『水』は、『お湯』であったのか、湯気が出ていた。
「ふううーっ……」
尿意から解放された心地よい脱力感に浸りながら、ビエール・トンミー氏は、自身の『お宝』を眼下に見た。
しなだれた『お宝』は、やや右に傾いていた。
「んーむ、これは仕方ないのだ。オレは、『曲がったことが嫌いな男』だ。しかし、他の男の『お宝』をしげしげと眺めたことはないが、男という者は皆、『お宝』は右か左かに傾いているものなのだ。これは自然の摂理なのだ。アインシュタインか誰かもそう云っていたような気がする」
と、『自身』をいじりながら自身を『慰めて』いたが…….
「うーっ!」
思わず噎せた。
「しまった、忘れていた」
そうだ、見下ろした自身の『お宝』の先には、『ブラックホール』があったのだ。
『ブラック・ホール』なら、総ての物質を飲み込んでしまうはずだが、猛烈な臭気を吹き上げてきているソレは、『逆ブラック・ホール』とも呼ぶべきものであった。
(続く)
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