2018年2月9日金曜日

【特報】旅行企画『西洋美術研修トラベル』![その24=最終回]



ビエール・トンミー氏は、郵便受けに入っていた旅行企画のチラシ(以下)を見た夫人(マダム・トンミー)を前にタジタジとなっていたが…….


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西洋美術史研究家ビエール・トンミー氏と巡る
イタリア・フランスの美術を愛でる旅

旅行企画・実施『プロの旅行社』

内容:(原稿入稿待ち)


期間:3月11日(日)-3月24日(土)14日間

料金:2名1室=5,000,000円、1名1室=10,000,000円

ビエール・トンミー氏と同室(ダブルベッド)を希望の場合=10,000,000円

※ 飛行機は、JANA便スーパー・ファースト・クラス。ホテルは、10☆デラックス・クラス。


【特別プランの特別料金】
ビエール・トンミー氏と同室!2名1室=50,000,000円(1人あたり)
ビエール・トンミー氏と同室!3名1室=50,000,000円(1人あたり)

※ 但し、ビエール・トンミー氏が慕うある西洋美術史の美人講師に限る。
  尚、部屋は、特別貴賓室。でも、ベッドは『用』を足すのに十分な通常のダブル・サイズ


添乗員:エヴァンジェリスト氏(現在、依頼中)


※ ビエール・トンミー氏のプロフィール

広島市立牛田中学卒業、広島県立広島皆実高等学校卒業、ハンカチ大学商学部卒業(フランス語経済学『優』取得)。
オーテ飲料メーカー勤務(主として、システム部に在籍)。
10歳歳下の会社同僚女性と結婚(夫人は、マーケティング部所属で、Windowsの使い方を教えたことがきっかけで結ばれた)。
59歳で会社退職(オーテ飲料メーカーでは、60歳定年前の57-8歳くらいで退職し、後は、悠々自適の生活を送る社員が多い)。
現在、ハンカチ大学オープンカレッジ西洋美術史継続受講中(『インモー』が欧州庶民に与える宗教学的影響を中心に研究中)。

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「取り敢えず、アタシ申込んでおいたわ。年齢制限にひっかかかることは分ってたけど、でも、アタシって若くみられるでしょ。今でもよく、街で若い男の子に声をかけられるわ」
「えっ!なんだって!!!」
「ふふ。妬いてるの?」
「そりゃあ…….」
「そんなことより何より、誰なの、『ビエール・トンミー氏が慕うある西洋美術史の美人講師』って!?」
「いや、誰だろう…..」
「アータ、そう云えば、オープンカレッジに..」
「お!」
「何よ、いきなり。驚くじゃないの」
「これだ!これを見てくれ」
「え、何?」






ビエール・トンミー氏は、MacBook Airの画面を夫人に見せた。

「ま!ふふっ!おかしいわあ!」
「だろ?」
「笑っちゃうわね」

ビエール・トンミー氏が夫人に見せた画像は、これだ!




そう、それは、『ニワトリ・トンミー』と名付けられた画像であった。ビエール・トンミー氏をニワトリにアイコラさせた画像であった。

「ね、笑うだろう。これは、エヴァちゃんが創って送ってきたのだ」
「ホント、巫山戯た人ね、エヴァンジェリストさんて」
「ああ、そうさ。アイツはいつもこんなことばかりしているのさ」
「でもよくできているわ、そのアイコラ」
「そうなんだよ。アイツは、虚構を創作する才能があるんだ」
「まあ、そうかもね」
「アレもそうなんだよ」
「アレ?」
「アレさ。『西洋美術史研究家ビエール・トンミー氏と巡るイタリア・フランスの美術を愛でる旅』なる旅行企画もアイツの創作なんだ」
「あら、そうなの」
『ビエール・トンミー氏が慕うある西洋美術史の美人講師』もアイツの創造物なんだ」
「あら、そうだったの。そうよね。アータはアタシ一筋だものね」
「ああ、そうだ、そうだ」
「なんか、少し誤魔化されている気もしなくはないけど、アータのこと、信じてあげるわ」
「ああ、信じてくれ」
「その代り、今からすぐウチで『2名1室』してえええ」
「へ!?」
「ふふ」



(おしまい)

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