2018年2月5日月曜日

【特報】旅行企画『西洋美術研修トラベル』![その20]


そうか!分った、分った。『無抽選』にしよう。いやいや、但し書の内容を変えよう!

ビエール・トンミー氏は、エヴァンジェリスト氏からのiMessageにそう反応した。

「特派員の報告によると、あの『先生』は、お怒りだそうだ」

ビエール・トンミー氏が慕うある西洋美術史の講師が、『西洋美術史研究家ビエール・トンミー氏と巡るイタリア・フランスの美術を愛でる旅』なる旅行企画のゲラ刷りを見た際の反応を、エヴァンジェリスト氏は、iMessageでビエール・トンミー氏に知らせたのであった。

「『チューセン』ということにお怒りなのだ」

は!『希望者多数の場合は、抽選』となっていることか?

「そうだ。先生は、『抽選』に怒り心頭なのだ」

そうか!分った、分った。『無抽選』にしよう。いやいや、但し書の内容を変えよう!

『※ 但し、ビエール・トンミー氏が慕うある西洋美術史の美人講師に限る。尚、部屋は、特別貴賓室。でも、ベッドは『用』を足すのに十分な通常のダブル・サイズ』

とな。

「いいのか?そんな但し書にしていいのか、本当に?」

ああ、いいとも、いいとも!先生がソコまでお望みであるのを無下にはできないではないか。

「分った。では、アチラは断ることにしよう」

は?は?アチラ






「そうだ。アチラだ。アチラの美人だ」

アチラの美人?

「あの『先生』よりも美人だ」

ええーっ!あの『先生』よりも美人だと!?

「ああ、彼女を見たら、君はきっと驚くであろう!」

おおー!それほどの美人なのか。そんな美人も参加申込をしてきているのか?





「そうなのだ。ただ、一つだけ『問題』がある」

え?なんだ。旅行費用の問題か?『抽選』のことか?そんなことなら、ボクがなんとかしてもいい。

「この変態め。あの『先生』も『無抽選』で、しかも費用も君の負担で参加させ、更に、アチラの美人もそうしようというのか」

まあ、お会いしてみないと分らないとは思うが、君がそこまでいう美人だったら……

「そうすると、『3名1室』とするのか?」

うーむ。3ピ….いや、3名1室』も仕方あるまい。

「君の『カラダ』はもつのか?」

そこが問題だが、この際、頑張るしかあるまい。

「しかし、『問題』は、旅行費用のことでも、『抽選』のことでも、『3名1室』のことではないのだ」

はあ?では、一体何が『問題』なのだ?



(続く)

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