<注意>
ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。
西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。
長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。
[皇帝マイバッハSクラス]
「『 Sクラス』が、ベンツの最高クラスと云うたが、その上があんねん」
ビエール・トンミー先生からのそのiMessageを読み、生徒のエヴァンジェリスト氏は、自らの眼差しを上に向けた。ビエール先生は、説明を続ける。
「『マイバッハSクラス』や」
「『バッハ?』アメリカのテレビ放送に合わせた開催時期、開催時間を設定するオリンピックが最高とは思いませんがね」
「アホちゃうか。IOCの会長の『バッハ』な訳ないやろ」
「ああ、そっちの『バッハ』じゃなくて、あっちの方の『バッハ』なんですね。しかし、『モーツァルト』の方が上という人もいるんじゃないですか?」
「ああ、やっぱりそうきたか」
「でも、『モーツァルト』は、オーストリア人だし、『モーツァルト』って名前は、洋菓子店みたいですからね」
「云うてる意味が分からんで」
「広島の『モーツァルト』(バッケンモーツァルト)の『からす麦クッキー』が美味しいと思いますが、『バッハ』は、ドイツ人だし、『音楽の父』ですから、『バッハ』の名前を使うのも仕方ないでしょうね。実際には、女性の方が強いので、『音楽の母』ヘンデルの名前を使って、『マイヘンデル』でも良かったかもしれませんが」
「あんさん、いい加減にしなはれ。態とらしいで。それに、ヘンデルは、『音楽の母』と云われることもあるが、女やあらへんで」
「あ、そうかあ。なんだかんだ云いながら、先生は今でも『オッカーノウーエ』がいいんですね。『マイアグネス』がお好みなんですね!」
「ワテ、おばはんには興味ないねん」
(続く)