2021年2月28日日曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その13]

 


<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。



[皇帝マイバッハSクラス]



「『 Sクラス』が、ベンツの最高クラスと云うたが、その上があんねん」


ビエール・トンミー先生からのそのiMessageを読み、生徒のエヴァンジェリスト氏は、自らの眼差しを上に向けた。ビエール先生は、説明を続ける。


「『マイバッハSクラス』や」

「『バッハ?』アメリカのテレビ放送に合わせた開催時期、開催時間を設定するオリンピックが最高とは思いませんがね」

「アホちゃうか。IOCの会長の『バッハ』な訳ないやろ」

「ああ、そっちの『バッハ』じゃなくて、あっちの方の『バッハ』なんですね。しかし、『モーツァルト』の方が上という人もいるんじゃないですか?」




「ああ、やっぱりそうきたか」

「でも、『モーツァルト』は、オーストリア人だし、『モーツァルト』って名前は、洋菓子店みたいですからね」

「云うてる意味が分からんで」

「広島の『モーツァルト』(バッケンモーツァルト)の『からす麦クッキー』が美味しいと思いますが、『バッハ』は、ドイツ人だし、『音楽の父』ですから、『バッハ』の名前を使うのも仕方ないでしょうね。実際には、女性の方が強いので、『音楽の母』ヘンデルの名前を使って、『マイヘンデル』でも良かったかもしれませんが」

「あんさん、いい加減にしなはれ。態とらしいで。それに、ヘンデルは、『音楽の母』と云われることもあるが、女やあらへんで」

「あ、そうかあ。なんだかんだ云いながら、先生は今でも『オッカーノウーエ』がいいんですね。『マイアグネス』がお好みなんですね!」

「ワテ、おばはんには興味ないねん」



(続く)




2021年2月27日土曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その12]



<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。



[浮世離れのSクラス(続き3)]



「ええか、『Eクラス』や『Cクラス』は色々な世代の車が走ってんねん」


ビエール・トンミー先生は、iMessageで、生徒のエヴァンジェリスト氏に、ベンツの最高クラス『Sクラス』ならではの見方の解説を始めた。


「でな、『Sクラス』で特徴的なんは、今の世代の車しか走ってないちゅうことや。『Sクラス』乗りよる奴らは、金が有り余ってるさかい、モデルチェンジがあると直ぐに新しいモデルに買い替えるんや。ほんま浮世離れしとるで」

「ああ、だから、新型以外の『Sクラス』は、めったに見ることがないので、新型以外の『Sクラス』を見ると、『ああ、この人は一杯一杯なんやな』ということになるんですね」

「せやで。そこそこに金は持ってて、頑張って『Sクラス』買うたものの、新しモデルに直ぐに買い替えできる程の金は持ってないっちゅうこっちゃな」

「ベンツって奥深いですね。ただただ最高クラスの『Sクラス』に乗っていればいいというものではないんですね!」

「せやねん。最新のモデルの『Sクラス』に乗っとるもんが、ホンマもんの『Sクラス』乗りちゅうことやな」

「先生の『Eクラス』が<『Sクラス』の『Eクラス』>だとしたら、旧モデルの『Sクラス』って、<『Sクラス』の『Cクラス』>ですね」




「うーむ、なんかちゃうような気もするが、まあええわ」

「しかし、最新のモデルの『Sクラス』乗りもどうかと思います」

「は?なんでや?」

本当のセレブは、いいものに長く乗るのではありませんか、『Eクラス』乗りの先生のように?」

「ああ、ええこと云うやんけ」

「買い替えできずに古い『Sクラス』に乗っているのは、みっともない。とはいえ、常に新しい『Sクラス』に乗っているのは、恥ずかしい。自分のことを成金だと云っているようなもんですものね」

「生れつきの金持ちもおるやろから、成金とは限らんがな」

直ぐに新しいモデルに買い替えるなんて、成金とは云わずとも、品のある行為とは思えません」

「でもなあ、品のあるなしやのうて、上には上、もっと上があるんやで」



(続く)




2021年2月26日金曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その11]

 


<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。



[浮世離れのSクラス(続き2)]



「あんさん、戯けたことばかり云うてるが、たまに核心をついたこと云うてくるなあ」


というビエール・トンミー先生のiMessageからは、生徒エヴァンジェリスト氏には、先生が手で顎を撫でている様子が窺えた。


「そやねん。『Sクラス』に乗ってるんは、大金持ち、社長、投資家、芸能人、スポーツ選手なんかやねん。せやさかいに、『Sクラス』には、どこか浮世離れしたところがあるねん」

「おお!やっぱり『Sukebe』ですね!?」

「なんでやねん?」

「だって、大金持ち、社長、投資家、芸能人、スポーツ選手って、みんな『Sukebe』でしょ?」

「あんさんなあ、そないなこと云うてたら訴えられるで」

「でも、金持ちはよく女性を囲ってるし、有名社長は結婚間もなくても不倫相手と沖縄でステキナ夜を過ごすらしいし、芸能人は多目的トイレでイイコトするようだし、プロ野球選手は女子アナとラブ・ホテルに入るらしいではないですか」



「アンタあ、ホンマ、そっち方面は詳しいなあ。『Sクラス』に乗っとる連中が『Sukebe』かどうかは知らんが、確かに普通とはちゃうなあ。クルマ自体か乗っとる奴か知らんが、どこか浮世離れしてんねん。そらもう、『オラオラ』度が半端ないで」

「『Cクラス』や『Bクラス』や『Aクラス』と会うと『オラオラオラ』とガン飛ばす先生が、ですか?!」

「そやねん。港区や中央区を走るとよう『Sクラス』に出会うで。その時、ワテは、大人しく道を譲るんや」

「先生だって、『ベンツで多目的トイレ』疑惑の主なのに、ですか?」




(参照:【緊急直撃】疑惑の多目的トイレ



「ううーっ…いや、あれは、ウン…」

「え?ウン?」

「ウン、う、う、五月蝿いなあ!要は、『Sクラス』は、『オラオラ』度が半端ないさかいに、大人しく道を譲るけどな、新型以外の『Sクラス』を見ると(滅多にあれへんが)、『ああ、この人は一杯一杯なんやな』という目ェで見たるねん」

「え?それは、どういうことですか?」



(続く)




2021年2月25日木曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その10]



<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。



[浮世離れのSクラス(続き)]



「おお、<『Sクラス』の『Eクラス』>とは、なんとも意味深いものでしょうか!」


ベンツの王道、基本中の基本は、<『Sクラス』の『Eクラス』(ミディアム・クラス)>だ、というビエール・トンミー先生の見方に、生徒エヴァンジェリスト氏は、感動のiMessageを返した。


「そうかあ、アンタにも分るんやなあ」

「<『Sukebeクラス』の『Einspritzung:噴射!クラス』>だなんて、先生の為のクラスと云っても過言ではありません」

「ワレー、なにぬかすんやねん!『Sクラス』をおちょくるんやないで!『Sクラス』の『S』は、『Special』の『S』に決ってるやないけえ」

「しかし、先生は、『Sukebe』ではありませんか?」

「それはせやけど、ベンツは、ドイツのクルマやで。『Sukebe』なんて日本語使う訳あらへんやないけ」

「『Sukebe』は、『Karaoke』のように世界語になっているのではないですか?」

「な訳ないやろがあ!」

「では、『Sade』の『S』ですか?」

「ホンマ、ええ加減にせえよ!ワテは、どちらかと云えば『M』…アホ、何、云わすねん!ベンツは、鞭なんか持ってへん」




「ならば、『Sexy』の『S』なんですね?!『Sexy』なんて、まさに先生のことを名で体を表しています!」

「ワテが『Sexy』なんは否定できへんが、『Sクラス』の『S』は、『Special』の『S』や云うてるやろが。あんさん、ちゃんと聞いてんのかいな」

「iMessageでの講義ですから、聞こえはしません」

「屁理屈云うんやないでえ」

「確かに、表向きには、『Sクラス』の『S』は、『Special』の『S』なんでしょうが、これも『Eクラス』の『E』のように、ダブル・ミーニングなんではありませんか?『Sクラス』に乗っている人は、ただ単に『Special』なのではないのではありませんか?」

「うっ…」



(続く)




2021年2月24日水曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その9]

 


<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。



[浮世離れのSクラス]



「先生!今日、『スーパー・マン』になりに行く途中、近所の交差点で『Eクラス』らしきベンツに会ったので、軽く会釈しておきました!」


ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』を受け始めたエヴァンジェリスト氏は、早速、学んだばかりの知識に基づく自らの行動をビエール・トンミー先生にiMessageで報告した。


「おお、そうかいなあ、そうかいなあ。なかなかええ態度やで。せやけど、よう、『Eクラス』と分ったもんや」

「『王道のEクラス』講義の後、ネットで『Eクラス』の画像を見ておきました」

「ああ、デジタル・ハンターのあんさんには、ちょろい調査やったろうなあ」

「見かけたベンツは、大きめでしたから、多分、『Eクラス』だったと思います。『Eクラス』というクルマは、やっぱり高級そうです。さすが『Executive』の『E』ですね」

「せやで。ワシのような『Executive』向けのクルマやさかいな。『Eクラス』なワシは、下のクラスの『Cクラス』や『Bクラス』や『Aクラス』と会うと『オラオラオラ』とガン飛ばすで」




「そりゃ、そうでしょうなあ」

「だが…最高クラスの『Sクラス』と出会うと目を伏せてまう」

「え!?先生の方が、目を伏せてしまうんですか?」

「そやで。大きいしなあ。『Eクラス』が、『シャチ』だとしたら、『Sクラス』は、『鯨』やから、敵わんで」

「いえいえ、『シャチ』だって『鯨』の種類の一つなんですから、『Eクラス』だって『Sクラス』の仲間ではありませんか」

「おお、珍しくエエことを云うやんけ。そやねん、昔は、ベンツの種類は単純やったで。現在の『Sクラス』にあたる車とスポーツタイプ(今で言う『SL』や)しか無かったんや。その後、『Sクラス』相当の車より『小さい』クラスとして車の前の部分を短縮した『ミディアムクラス』(今の『Eクラス』の先祖やで〕がデケタんや。量販車種としてな」

「おっ、ということは…」

「そや、そういうことや。あんさんも判ったようやな。つまり、メルセデス・ベンツの王道、基本中の基本は、<『Sクラス』の『Eクラス』(ミディアム・クラス)>なんや。ハハハハハ」



(続く)




2021年2月23日火曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その8]

 

<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。



[王道のEクラス(続き3)]



「『Eクラス』、つまり、ベンツのミディアム・クラスには、『500E』ちゅうもんとやなあ、『E500』ちゅうのがあってんねん」


ビエール・トンミー先生は、『Eクラス』の『E』の意味について解説を始めた。『E』の意味をオゲレツな方に向かわせようとする生徒エヴァンジェリスト氏に対して、妙な関西弁ではあるが、内容は真面目なiMessageでの解説だ。


「『500E』の『E』はなあ、『Einspritzung』の『E』やねん。この『Einspritzung』ちゅうんは、『燃料噴射』なんや」

「おおおおおお!『噴射!』ですかあ!さすが、先生です」

「あんさんに、これ説明したら、そないなこと云い出すやろとは思うてたが、案の定やなあ」

「『E』クラスは、若い頃から『噴射!』しまくってきた先生にまさに相応しいクラスなんですね」

『噴射!』については、ノーコメントやが、あんさん、早とちりやで。『燃料噴射』、つまり、Einspritzung』の『E』がついてんのは、『500E』やで」

「へ?」

「ええかあ、この『500E』をマイナー・チェンジして名称も変更して『E500』ができてんねえ。1993年のことや。そこから『Eクラス』ちゅう名前を使うようになってんねん。正確には、『E500』だけやのうて、『E220』とか『E280』とか『E400』、『E320』いう排気量の違うモデルもあるんやけどな。クーペやステーションワゴンなんかもあるしな」

「なんか数字がいっぱい出てきてよく分りませんが、『噴射!』の『E』がついてるのは、『500E』で、『E500』の『E』は『噴射!』の『E』ではない、ということですか?

「そやねん」

「なんだ、先生のことだから、『500』の前についても後ろについても『噴射!』だと思いました。『後ろから前からどうぞ』なんではないんですか」




『後ろから前からどうぞ』って、なんや?!なんか、またオゲレツな感じやなあ」

「畑中葉子ですよ、歌手の」

「せやから、ワテは、ゲーノーカイのことはよう知らんて。要するに、『500E』の『E』と『E500』の『E』はちゃうねん。『500E』の『E』は、『Einspritzung』の『E』つまり、あんさんの好きな『燃料噴射』やな。で、『E500』の『E』は、『Executive』の『E』なんや」

「ああ、そういうことなんですね。『Eクラス』の『E』は、『Executive』の『E』だけど、裏に隠された意味は、『噴射!』の『E』なんだ!『Executive』だけど、『変態』の先生にピッタリのクラスですね!」

「ちょっとチャウと思うけどなあ。まあ、『500E』から『E500』への名称変更に於ける『E』の二重性という意味では、あながち否定はできへんかもしれんわな」



(続く)




2021年2月22日月曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その7]

 

<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。



[王道のEクラス(続き2)]



「あんさん、何、寝ぼけたこと云うてんねん!」


相変らず妙な関西弁のiMessageでビエール・トンミー先生は、戯けたことを云ってきた生徒エヴァンジェリスト氏を叱りつけた。


『イイ~!』クラスだから『Eクラス』やなんて、ワレー、正気かあ!」

「先生、『ワレー』なんて、ベンツ・オーナーらしくないお言葉です」

「ワレが、アホなことぬかすからやないけえ!」

「ああ、『Cクラス』より大きいから『Eクラス』なんですね」

「ホンマ、疲れるでえ。ほな、あんさん、ベンツに『Dクラス』がある思うてんのかいなあ」

「ないんですか?」

「あらへん、あらへん」

「では、『Eクラス』はどうして『Eクラス』なんですか?あ!そうかあ、『Excellent』の『E』ですね!『Excellent』な先生に相応しい名前です」

「おお、なかなかええセンやで。せやけど、違うなあ」

「そうかあ、『Expensive』の『E』だ!」

「確かに『Expensive』で安うはないが、ベンツは、そんな下品なことを名前に付けへんで」

「はは~ん、『Experience』の『E』ですね。『経験』豊富な先生にぴったりです」

「まあ、齢六十六、人生色々な経験をして来てますけどなあ」

「数だけではなく、フランス人女性、ドイツ人女性と、外国人女性ともね。多くの女性を乗せ、多くの女性に乗ってきた『Experience』の『E』ですね」

「またその話かいなあ。あんさん、ホンマくどいし、オゲレツやで。ベンツまであんさんのオゲレツに巻き込まんといてえ」

「では、『Eクラス』は、ベンツの王道も王道、ベンツのど真ん中、ベンツの象徴だから、『Eクラス』に乗ると、『ベンツー(便通)』がある、ということなんですか?」




「ええ加減にせえや!」

「ああ、失礼!先生のようなExecutiveに『便』の話を持ち出すのは、まこと無礼でした」

「おお、それやねん!」

「はあ?」

「そう、『Executive』の『E』やで」

「なるほど」

「せやけど、それがそう単純な話でもないねん」



(続く)




2021年2月21日日曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その6]

 

<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。



[王道のEクラス(続き)]



「むか~し、昔、40年くらい前だが、月刊『ゴング』に、、英語を習得するには、ピロー・トーキングが一番だ、と書いてあったと思う。アントニオ猪木は英語ができる(後に、外国人記者たちとの会見には通訳を使うようになったが)。最初の奥さんが、アメリカ人だったからだ、とだ」


というiMessageをエヴァンジェリスト氏が、ビエール・トンミー先生に送ったのは、先生にドイツ人女性、フランス人女性と付合った経験があるのではないか、という疑惑を追及する為だった。


ビエール・トンミー先生は、BMWを『ベーエムベー』とちゃんと発音し、SNCF(フランス国鉄である)も『エス・エヌ・セー・エフ』とちゃんと発音するのだ。


しかし、先生は、その件に関しては、『ノーコメント』の姿勢を崩さない。


「ああ、40年くらい前かあ、その頃はなあ、ベンツには大きな車しかか無くて。そう、今のSクラスや、ちょっと小さい車としてミディアム・クラスという名称で今のEクラスが出てきたんや」


ドイツ人女性、フランス人女性との交際疑惑にはすっとぼけ、ビエール・トンミー先生は、ベンツの『クラス講座』を続ける。


「『ちょっと小さいミディアム』ちゅうても、Sクラスが鯨やさかい充分デカイんやけどな。まあ、云うて見たら、『Eクラス』は、シャチやな」

「おおー!シャチですか!『シャチ横内』のシャチですね

「はああ?なんやねん、『シャチ横内』て?」

「海外でプロレスラーになり、国際プロレスにも参戦した日本人悪役レスラーです」

「知らんがな、そんなもん」

「しかし、シャチは、英語で云うと『Killer Whale』ですかし、デカくて『原宿の凶器』の異名を持つ先生に相応しいですね」



「うっ…」

「いえ、アレのことではありません。先生のアレは見たことありませんから」

「見せてたまるか!」

「先生は、存在がデカくて『凶器』のようなキレモノということです」

「いや、今は、自邸でひっそりと暮らす年金老人やねん」

「しかし、お持ちの『Eクラス』が、先生の存在の大きさを隠せません」

「まあ、そういうことになるかもしれへんなあ」

『イイ~!』クラスだから『Eクラス』なんですね」

「はああ?」



(続く)




2021年2月20日土曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その5]



<注意>

ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』は、ベンツの幾つかの『クラス』に対して、またそのオーナーに対して、辛辣過ぎる評価があるかもしれないが、決して、それらのベンツ、のオーナーを侮辱、差別をするものではない。


西洋美術史としてのビエール・トンミー先生の審美眼と、ハンカチ大学商学部卒の、しかも、SNCFの大家としてのビエール・トンミー先生のビジネス・センスとから、あくまで個人としての評価を述べるものである。


長年のベンツ・オーナーであるビエール・トンミー先生は、総ての『クラス』のベンツとそのオーナーを愛している。ベンツは、『評価』をするに値するクルマなのだ。『評価』をするに値しないモノについては、ビエール・トンミー先生は、言葉一つ吐くことはない。



[王道のEクラス]



「Eクラス』は、ベンツの王道なのか?」


生徒であるエヴァンジェリスト氏が、iMessageでビエール・トンミー先生に確認した。


「ああ、王道も王道だ」


iPhone SE のiMessageの画面からも、ビエール・トンミー先生のしたり顔が浮かんでくる。


「ボクは、『王道プロレス』は好きではない。『一寸先はハプニング』な『猪木プロレス』が好きなんだがなあ」

「はああ?『王道プロレス』?『一寸先はナントカ』?そんなもんは知らんで。Eクラスはメルセデス・ベンツのど真ん中、中心、絶対に失敗出来ない車種、他社が目標とするデファクト・スタンダードなんや」



「猪木は、失敗を恐れなかったが…」

「BMWもアウディもEクラスに負けんように熱入れて同じクラスの車を作るんやで。Sクラスには勝てんさかいな。せやから、ベンツも『絶対負けへんで』と力一杯になって作る車がEクラスなんや」

「さすが先生!ちゃんと『ベーエムベー』と仰るんですね」

「当り前やないけ。BMWは、ドイツの会社やで。BMWは、ドイツ語では『ベーエムベー』やで」

「先生は、SNCFもちゃんと『エス・エヌ・セー・エフ』と発音されるし、フランス語もドイツ語も堪能でいらっしゃる。かつて、フランス人女性、ドイツ人女性とお付合いされた経験でもおありですか?」

「うっ…その件は、ノーコメントやで。事務所通してや。事務所通しても、ノーコメントやけどな」



(続く)



2021年2月19日金曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その4]

 


[ベンツで灯油(続き3)]



「今、ベンツで灯油を買いに来た夫婦もんは、君のまわしものか?」


と、スーパーの駐車場で夜間の灯油の給油担当として、ベンツで灯油を買いに来た夫婦に給油を終えたエヴァンジェリスト氏が、友人のビエール・トンミー氏に、更に挑戦的なiMessageを送ったのは、その夫婦ものの態度の悪さにムカついたからであった。


自分への嫌がらせの為、友人が送り込んできた、と解釈してみせたのだ。だが…


「はああ?第一ワテのところは灯油を使わんで」


ビエール・トンミー氏の相変らず妙な関西弁の返信は、素気無いものであった。


「ベンツに乗るもんは、灯油なんか使ってはいかんのではないか?」


話に乗ってこない友人の気を引こうと、エヴァンジェリスト氏は、自らが取り扱う商品に対して、わざと差別的な言葉を使った。


「はあ?そうかあ?」

「ああ、そうだとも、ベンツに乗るようなセレブは、石油ストーブなんか使わず、家の暖房は、セントラルヒーティングと云うのか、なんかそんなもんでコントロールしているのではないのか?」




「ああ、ワテの家は全部の部屋がガスの床暖房やで。トイレと玄関と洗面所と脱衣所はは除くやけどな」

「トイレと洗面所と脱衣所は、どうしているのだ?」

「トイレは、便座が暖かくなっとるで。洗面所は、床暖房の部屋に続いとるから暖かいで。脱衣所は風呂場の天井にある暖房をつけて暖かくしとるで」

「おお!君は、やはりワシの期待通りの男だ。さすがベンツ・オーナーだ!」

「ところで、その夫婦もんの乗っておったベンツはなんや?」

「なん?」

「ああ、どの『クラス』やねん?」

「ベンツに『クラス』があるのか?」

「ああ、君かてベンツに小さいもんもあるのは知っとるやろ?」

「ああ、そう云えば、さっきのベンツも小さかったな」

「そうかあ、そりゃ、多分、『Cクラス』じゃろう、ふん」


iPhone SE のiMessageの画面からも、友人が『Cクラス』を鼻で笑ったのが、分った。


「君のベンツは、何クラスなんだ?」

「『Eクラス』だ。ベンツの王道やで」

「他には、どんな『クラス』があるんだ?」

「ああ、『Sクラス』、『Aクラス』、『Bクラス』と色々あるでえ。興味あんのんのか?」

「ある、ある、ある!教えてくれ!」

「しょうがあらへんなあ。友だちやさかいなあ」


かくして、エヴァンジェリスト氏は、ビエール・トンミー先生のiMessageによるベンツの『クラス講座』を受けることとなったである。



(続く)



2021年2月18日木曜日

【ビエール先生の『クラス』講座】Eクラスな男・NGクラスな男[その3]

 


[ベンツで灯油(続き2)]



「今、ベンツで灯油を買いに来た夫婦もんは、君のまわしものか?」


と、スーパーの駐車場で夜間の灯油の給油担当をしているエヴァンジェリスト氏が、友人のビエール・トンミー氏に、更に挑戦的なiMessageを送ったのは、気付いたからであった。


「(ベンツ!)」


その夜、灯油の給油に来た夫婦が乗ってきて、給油ステーションの前に止めたクルマが、ベンツだったのだ。そして、ビエール・トンミー氏は、ベンツ・オーナーであった。


「遅いぞ!」


灯油券を買って戻ってきた夫人に夫が、怒りの言葉を投げつけた。


「だって、レジ混んでるんだものお」


反論しながら、夫人は、夫に灯油券を渡した。


「はい」


と、夫は、夫人から受け取った灯油券をエヴァンジェリスト氏に差し出した。ポリタンクは、給油台の脇に置かれたままだ。


「……」


エヴァンジェリスト氏は、無言で夫を見たが、夫は横を向いている。仕方なく、ポリタンクを給油台に乗せ、給油を始めた。ポリタンクを給油台に乗せるのは、客であるのが常識であった。ポリタンクを給油ステーションに置いて灯油券を買いに行く客は少なくなく、給油担当は、給油ステーションに置かれたポリタンクがどの客のものであるのか判別できるとは限らない。


エヴァンジェリスト氏が給油している間に、給油ステーションの前を通ろうとした他のクルマが、ベンツが邪魔で、先に進めなくなり、クラクションを鳴らした。




「うるせえな」


夫は呟いた。


「はい、キャップをお確かめ下さい」


エヴァンジェリスト氏は、ポリタンクのキャップがちゃんと締まっているかの確認を夫に促した。確認は、客の務めである。給油ステーション前にも、そう張り紙がしてある。クルマの中で灯油がこぼれた場合の責任を店側で負うことのないようにである。


「はあ」


とだけ云うと、夫は、キャップの確認をせず、ポリタンクをベンツのトランクに入れ、ベンツの後ろに止って待っいるクルマをチラと睨むと、運転席に戻り、ベンツを発進させた。


その後ろ姿をエヴァンジェリスト氏は、睨みつけていた。



(続く)