「君にはまだ案内が届いていないようだが、君も間違いなく『殿堂入り』だ」
という友人のエヴァンジェリスト氏からのiMessageには、紙吹雪のエフェクトがついていた。
「は?」
と、ビーエル・トンミー氏は、疑問で返信したが、すぐにそのことを後悔した。友人の術中にハマってしまったからだ。
「どうだい、嬉しいか?」
そう訊いてくるのは分っていたことだったのだ。が、仕方ない。相手は、ただ独りの友人なのだ。世の役になーにも立たないメッセージ交換だが、付き合ってやるしかない。
「嬉しいも、嬉しくないも、何の『殿堂』か知らんが、どうせまた君が勝手に設立した『怪人の殿堂』といったクダランものか、『変態の殿堂』といったオゲレツなものだろう」
「ああ、さすがだ。君は、『己を見る』男だ」
「ああ、君の修士論文『François MAURIAC論』のテーマだな」
「完全にお見通しだな。君は、ボクの修士論文の草稿を読んで、君の記憶に『己を見る』という崇高なテーマが刻み込まれたんだな。驚異の記憶力を持ち、『ミスター・メモリー』という異名を持つだけのことはある。」
「ボクだけじゃなく、『プロの旅人』の読者なら『己を見る』のことは知ってるさ。『プロの旅人』でも幾度も『己を見る』ということが取り上げられているじゃないか。まあ、ボク以外の読者が世界に何人いるか、知らんが」
「おお!『プロの旅人』の愛読者よ!」
「おい、勘違いするな。『プロの旅人』なんぞというオゲレツの極みにあるBlogなんて読む気は全くないんだぞ。ただ、作者との腐れ縁で読んでいるんだ。『くしゃれ緑』と云った方がいいか?」
「おお、『くしゃれ緑』ときたか!<【ゲス児童】『くしゃれ緑』な『ウンギリギッキ』>シリーズじゃね!」
[参考:【ゲス児童】『くしゃれ緑』な『ウンギリギッキ』(その27)[M-Files No.5 ]]
「問題は、『プロの旅人』の作者『プロの旅人』氏って誰か、ということだ。ボクと君との共通の友人らしいが、一方、ボクには友人は君しかいなかったはずなんだぞ」
「おお、そうだ。『プロの旅人』氏は、広島県立広島皆実高校の1年7ホームで君とボクと同級生だったからな」
「『カイジツ』高校?なんだ、それは。ボクは、広島市立牛田中学を卒業した後、謎の数年間を経て、ハンカチ大学商学部に入学したんだ。『カイジツ』高校なんて、知らんぞ」
「ふふん!『広島皆実高校』の卒業アルバムがあるんだぞ。そこには、美少年だった君の姿が載っているんだ。ハハハハハハ!!!!!」
「おお、ならば、そのアルバムには、『プロの旅人』氏も載っているんだな?」
「ヒャーッ!そうきたかあ!うん、君はやっぱり間違いなく『殿堂入り』だ!」
(続く)
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