2017年4月22日土曜日

【コースケ】アマレスしよ、プロレスしよ(中編)




珍宝の國記念學院』と思しき學院の三年二組で、シンノスケは、両親が布団の上で裸で『アマレス』をしていることを同級生のコウメに話し…….




「仲のいい夫婦はみんなアマレスするんだって。だから、コウメ、オレたちもアマレスしよ!」
「アタシは、あんたの奧さんじゃあないわよ!」
「いいじゃん」
「でも、ウチのお父さんとお母さんもソンナことしてた」
「アマレスか?」
「プロレスだって」
「オカダカズチカなんかがしてるやつか?」
「そうなんじゃない。オカダケイスケか何か知らないけど。お父さんは、オレは猪木だって言ってたわ」
「猪木って、あのイラク人質解放した人か?この間、テレビでやってた」
「アタシも夜、おしっこをしにトイレに行ったら、お母さんたちの部屋から、ドスンドスンって音がしたの」
「へえー、ドスンドスンか。なんだか凄いなあ」
「そう、ドスンドスンよ。で、何だろうって、部屋に入ったら、ベッドの上で、お父さんがお母さんに重なっていたの」
「お前んチ、ベッドかあ、お洒落だなあ」
「二人とも裸よ。下になったお母さんは、何だか苦しそうだった」
「お父さんがお母さんをいじめてたのか?」
「アタシもそう思ったけど、違うんだって。それが、プロレスなんだって。お母さんがヤラレる役で、お父さんにフォールっていうのをされると、『気持ちいいのお、いやいや、楽しいのよお』ですって
「そういえば、ウチの母ちゃんも苦しそうだけど、気持ちよさそうな顔してたなあ、いや、楽しそうな顔か
「アマレスも気持ちいい、ううん、楽しいのねえ」
「だから、コウメ、オレたちもアマレスでもプロレスでもいいからシヨ!」
「気持ちいい、ううん、楽しいのはいいかも、って思うけど、アンタとはイヤ!」





シンノスケとコウメのやり取りを口を開けて聞いている少年の顔は、赤らんできていた。


(続く)



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