階段を転げ落ちて、首を痛めていたビエール・トンミー氏は、友人であるエヴァンジェリスト氏からのiMessgaeで、どこかで、『西洋美術史研究家ビエール・トンミー氏と巡るイタリア・フランスの美術を愛でる旅』なる旅行企画があることを知った。
『西洋美術史研究家ビエール・トンミー氏と巡るイタリア・フランスの美術を愛でる旅』?知らない、知らない。
「惚けても無駄だ。パンフレットのゲラ刷りには、ちゃんと君のプロフィールまで書いてあるじゃあないか」
な、なんて書いてあるのだ。
「ふん!
『ビエール・トンミー氏のプロフィール
広島市立牛田中学卒業、広島県立広島皆実高等学校卒業、ハンカチ大学商学部卒業(フランス語経済学『優』取得)、オーテ飲料メーカー勤務(主として、システム部に在籍)、10歳歳下の会社同僚女性と結婚(夫人は、マーケティング部所属で、Windowsの使い方を教えたことがきっかけで結ばれた)、59歳で会社退職(オーテ飲料メーカーでは、60歳定年前の57-8歳くらいで退職し、後は、悠々自適の生活を送る社員が多い)、現在、ハンカチ大学オープンカレッジ西洋美術史継続受講中(『インモー』が欧州庶民に与える宗教学的影響を中心に研究中)』
さ。知っているくせに」
いや、『広島県立広島皆実高等学校卒業』は消して欲しい。
「何故だ?先輩には吉田拓郎がいて、後輩には、奥田民生、そして、為末大がいる名門校ではないか」
いや、まあ、その…….そこんとこは、君だって広島皆実高校が母校なのだから、分るだろうに……
「牛田中学卒業は消さなくていいのか?」
牛田中学は、構わんと思うが、何かマイナス要素があったかなあ?
「君の2年先輩に、マツイくんがいたぞ」
マツイ?松井秀喜は、石川県出身ではなかったか?
(参照:【特報】西洋美術研修トラベル![その2])
「そのマツイではない」
ああ、松居一代かあ。
「芸能音痴でも松居一代は知っているのか?」
芸能人としてではなく、マツイ棒で財産を築いた実業家としてな。
「しかし、残念ながら、松居一代ではない。松井一實だよ」
松井一實?誰だ、それ。知らん。
「市長だ。今の(2018年現在)広島市長だよ、松井広島市長は、牛田中学卒業なんだよ」
ん、まあ、牛田中学は名門であるからなあ。京大卒で、クイズでも大活躍しているお笑い芸人の宇治原史規は、牛田中学の後輩だ。
「おお、そうだな。君がインテリ変態であるように、インテリお笑い芸人であるな」
元・広島東洋カープの達川光男は、牛田中学で1学年下であった。
「うーむ、達川も変った奴だが、知能派ではあるなあ。スポーツ・芸能音痴の君にしては、宇治原、達川のことを珍しく良く知っているな」
インテリはインテリを知るだ。つまりは、牛田中学は名門である、ということだ。広島市長を出してもなんらおかしくはないのさ、ハハッハハッハ!
「ほう、そうかい。確かに、松井市長は、牛田中学卒業の後、基町高校に進学。そして、大学は京大を卒業しているらしい。1953年の1月生れなので、君の2学年上ということになる」
牛田中学の2年先輩ならばボクが一年生の時の3年生。上履き(当時は校舎ほ土足禁止であった)は緑のライン入り。一緒に朝礼に参加し、同じ先生に教わりどこかで必ずすれ違ったはずだ。
「さすが、天才的記憶力の持ち主であるな」
しかし、当時一年生の神童と呼ばれたボクは、三年生の神童を知っていたはずだが記憶にない。
「その先輩神童は、昨年(2017年)、8月6日の平和記念式典で、ミスをしてしまったぞ」
(続く)
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