君は、今、私が20:05発「福井空港」行のJANA1919便に乗っているのも夢だと思っているのか?
「勿論だ」
ビエール・トンミー氏は、JANA1919便に乗っている(はずの)友人、エヴァンジェリスト氏の心の中の問いに、iMessageで返信した。
君は、私の夢の中の私にiMesageを送っているのか?iMessageは、非現実世界にも送信できるのか?
「いや、それは……」
今、私がいる世界は、まあ、『非現実世界』と云えば云えなくはないが、そんな単純な世界ではない。
まあ、君は簿記を知らない商学部出身で、でも、フランス語経済学は得意な商学部出身者だ。そして、今の専門は『西洋美術史』だからな。
「云っていることが理解できない」
ふふ。では、云おう。
私が今いる世界は、『5次元』の時空なのだ。
「ま、ま、まさか!リサ・ランドールの…..」
そうだ、その『まさか』の時空にいるのだ。
「信じられない!」
信じようと信じまいと、そうなのだ。そして、君が夢だったと思っている、君とあのスチュワーデス(CA)との遭遇も……
「ええーっ!」
そうだ、君とあのスチュワーデス(CA)との遭遇も、そう、『5次元』の時空での出来事であったのだ。いや、多分、君たちの遭遇は今も、『5次元』の時空では、現在進行形なのだ。
君は、ホテルの部屋で、あのスチュワーデス(CA)のWindows PCに『いきなりPDF』をインストールしてやり、次には、そう別のモノをそう、アレを彼女に『インストール』してやっている最中なのだよ。
「おおおおお!そうなのか!そうだったのか!......だったら」
だったら?
「『5次元』の時空に…….行きたい!いや、イク、イク、イクううう!」
ビエール・トンミー氏は、興奮の極みに達した。
「あら、アータ、もうイッチャッタの?」
ビエール・トンミー氏に押し倒されたマダム・トンミーは、目を閉じ、仰け反った夫を見上げて云った。
「ん、もう!勝手に行かないで!アタシも連れてイッテ!」
(おしまい)
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