ビエール・トンミー氏からのiMessageをエヴァンジェリスト氏は、悠然たる態度で読んでいた。
2018年1月2日、20:05発「福井空港」行のJANA1919便の機内である。
「再度、スチュワーデス(CA)の唇を塞ごうとしたその時だ。『何が、妻、よ。いつもは、アタシのこと『君』って云うのに』という声がしたのだ」
それは、驚いたことであろう。
「何を冷静に云っているのだ。驚いたなんてものではない。ボクは、押し倒した女の顔を見た。妻だったのだ!女は、妻であったのだ」
奥様に、『アータ、どうしたの素っ裸になって?』とでも訊かれたか?
「そうだ。ん?どうして知っているのだ?」
更に、君の股間を見て、『アータ,どうして『元気』になってるの?ん、もう!』と云われたのだろう。
「ああ、そうだが……まあ、いい。俺は、戸惑った。しかし、彼女にマッサージをしてもらっていた、と誤魔化した。彼女には体をほぐしてもらっていただけ、とな」
ああ、『藤吉久美子』的逃げ方だな。奥様は、『ルイルイ』とでも云って、信じてくれたか?
「いや、『彼女?だれ、それ?』と訊かれた」
絶体絶命だな。
「だが、ボクは呟いた。『夢か….夢だったのか…..』と。そして、気付いたのだ。ボクは、出張中の飛行機の機内でスチュワーデス(CA)で出会ったのだが、自分はもうリタイア(退職)しているのに、出張なんかするはずがなかったのだ。しかも、君が同じ飛行機に乗っているのも、偶然過ぎた。それに、そもそも『JANA』なんて妙であったのだ!JALでもない、ANAでもない。JALとANAを合わせたような、そんな適当な名前の航空会社は、今も昔もありはしなかったのだ」
スチュワーデス(CA)の泊まるホテルの部屋に行くまで、妙なことに気付かなかったとは迂闊であったな。
「問題は、そういうことではない。君も気をつけることだ。そうしないと、ボクと同じ目に遭うぞ」
同じ目?
「君は今、夢を見ているのだ」
ほほおー。
(続く)
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