2018年1月15日月曜日

「MacBookProですか?」(その14)



君は、実際には存在し得ない航空便に乗っているのだ。そして、チュワーデス(CA)の毒蜜に惑わされようとしているのだ。君も、彼女が泊るJANAホテルの部屋のベッドに裸で寝てしまうことになるのだ。そして、チュワーデス(CA)を引き倒して、自らの唇で彼女の唇を塞ごうしたその時、君は、『彼女』が君の奥様であることに気付き、驚愕するのだ。そして、奥様に詰問されるのだ。どうして、素っ裸になっているのか、と。君は動揺することになるのだ」

ビエール・トンミー氏は、2018年1月2日、20:05発「福井空港」行のJANA1919便の機内にいるエヴァンジェリスト氏に、忠告のiMessageを送って来ていた。

エヴァンジェリスト氏に、自分と同じく、夢を見ているのだ、と忠告しているのだ。

「君は甘いなあ。ボクの場合は、妻が、ボクのコケシのマムシ、マムシのコケシが元気になっているのを見て喜び、それ以外のことはどうでも良くなった。しかし、君の場合は、そうはいかないぞ。君のモノは、マムシでもコケシでもないであろう」

しかし、そんな忠告もエヴァンジェリスト氏は、鼻で笑ったのであった。

失敬な奴だなあ!君こそ、甘いぞ。何にせよ、夢だったのなら、誤魔化すもなにもないではないか。

しかし、だ。フフ……






「何を云いたいのだ?」

君は、アレを本当に夢だったと思っているのか?

「はあああ?」

君は、今、私が20:05発「福井空港」行のJANA1919便に乗っているのも夢だと思っているのか?

「勿論だ」

君は、私の夢の中の私にiMesageを送っているのか?

「うっ!」

iMessageは、非現実世界にも送信できるのか?

「いや、それは……」

今、私がいる世界は、まあ、『非現実世界』と云えば云えなくはないが、そんな単純な世界ではない。

「云っていることが理解できない」

まあ、君は簿記を知らない商学部出身で、でも、フランス語経済学は得意な商学部出身者だ。そして、今の専門は『西洋美術史』だからな。



「ますます、云っていることが理解できない」


(続く)



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