2018年1月7日日曜日

「MacBookProですか?」(その6)



エヴァンジェリスト氏が、誰に対してということもなく一人、北叟笑んでいたところ、

「どうして、『エッチ』なの!?」

と、JANAのスチュワーデス(CA)のヒステリックな声に我に返った。

「どうして、Internet Explorerがなくなったの?」
「ああ、『エッジ』(Edge)ですね」
「Internet Explorerも大嫌っいだったけど、『エッチ』も使えたもんじゃないわ!アドレスバーに文字を入れて検索すると、何あれえ!勝手に、『bing』で検索するじゃないの」
「だったら、そう、そんなにWindowsがお嫌でしたら、Macに切り替えたらいいのではないですか?」
「あら、そうですの?ムフ!」

エヴァンジェリスト氏は、チュワーデス(CA)の体から漂ってきた淫靡な匂いというか、臭いに鼻を歪めた。

「そんなにMacへの切替をお勧めになるのなら……ムフ!」

チュワーデス(CA)は、自分の体が蒸れてきているのを自覚していた。

『ブルルン!』

その時、エヴァンジェリスト氏のYシャツの胸ポケットが震えた。






エヴァンジェリスト氏は、Yシャツの胸ポケットに手を入れ、ローズゴールドな物を取り出した。

『ブルルン!』

と震えていたのは、エヴァンジェリスト氏が、iPhone5sから切替えたばかりのiPhone SE であった。

「ビエールか…..」

親友のビエール・トンミー氏からiMessageが届いたのだ。

「エヴァよ、気をつけろ!」

「福井空港」に向けて飛行中であったが、JANA機内では、WiFiが無料で使えるのだ。

「そのチュワーデス(CA)の誘いに惑わされるのではないぞ」



何故か、ビエール・トンミー氏は機内の様子を知っているようであった。

「きっと、今頃、『そんなにMacへの切替をお勧めになるのなら』なって云ってきている頃であろう」

ビエール・トンミー氏のしたり顔が目の前に浮かぶようであった。



(続く)




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