2018年4月24日火曜日

【曲がったことが嫌いな男】石原プロに入らない?入れない?[その68]



「エヴァさん、曲がれるよね?」

列のすぐ前にいた女性が振り向いて云ったその言葉を聞いた時、エヴァンジェリスト氏は、この世の中に「自衛隊が行かない地域が、非戦闘地域だ」という『捻じ曲がった』としかいいようのない言葉を平気で云う人が出てくることを、まだ知らなかった


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1983年のその時、確かにエヴァンジェリスト氏は、高熱を発し、エヴァンジェリスト氏は朦朧としたまま、上池袋の下宿を出て、明治通り沿いにある近くの公衆電話ボックスまで行った。

「辛い……熱がある。高い熱だ……」
「だからあ、私にどうしろ、と云うの?」

電話の向こうの女性は、イライラしていた。

「いいんだ、いいんだよ。ボクは熱があって辛い。買い物もできない」
「分ったわよお!」

女性は、そう言い放つと電話を切った。

それから1時間半あまりしてからであろうか、エヴァンジェリスト氏の上池袋の『3.75畳』の下宿に、その女性はいた。

「大丈夫?」
「ダメだあ……死ぬう……」
「だったら、死ねば」
「うう…..」
「本当に熱あるの?」
「あるよ」

と云うと、エヴァンジェリスト氏は、女性の手を取り、自らの額に当てた。

「ま、熱いのは熱いわね」

と女性が云う間も無く、エヴァンジェリスト氏は、取った女性の手をグイッと引き、女性を自らの布団の中に引きづり込んだ。

「何するの!」
「いいから」

と云うと、エヴァンジェリスト氏は、仰向けであった身を返し、女性の方を仰向けとした。

「やめなさい!」






仰向けとなった女性に覆いかぶさったエヴァンジェリスト氏は、口が半開きとなり、両の口の端にヨダレが滲んでいた。



「やめなさい!」

女性が再び、小声で叫んだ。

しかし、エヴァンジェリスト氏は、自らの顔を女性の顔に近付けていった。

「やめろ!」

少し声を大きくして女性が叫んだ。

「ダメだよ」

動きを止めたエヴァンジェリスト氏が、諭すように云った。


(続く)



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