「エヴァさん、曲がれるよね?」
列のすぐ前にいた女性が振り向いて云ったその言葉を聞いた時、エヴァンジェリスト氏は、『戦闘』があるという報告があった地域であっても『戦闘地域』であるとは限らないと平気で言い逃れする権力者が出てくることをまだ知らなかったが、『自衛』の為の『戦争』は『戦争』ではないという、『曲がったこと』を平気で『曲がったこと』ではないとする国がこの世に存在することは、その時、既に知っていた。
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「あなた、熱あるんでしょ!」
「あるよ」
1983年、上池袋の『3.75畳』の下宿に、高熱の看病を理由に『女』を連れ込んだエヴァンジェリスト氏は、高熱を発しながらも、エヴァンジェリスト氏は、女性を自らの布団の中に引きづり込み、覆い被さったのだ。
「だったら、大人しく寝てるの!」
「いや、そうはいかない」
「そうはいく!」
「そこに山があれば登るんだ」
「アタシは、山じゃないわ」
「いや、気には素敵な『山』が二つある」
「バカ!」
しかし、エヴァンジェリスト氏は、女性の罵言を無視し、『山』に顔を埋めていった。
「☆!※♯£⊆%」
『山』が、鳴った。
「しっ!静かに!」
「何よ!」
「ボクは、『曲がったことが嫌い』なんだ」
「何を云いたいのよ!」
「『声』が他の部屋に聞こえると迷惑をかける」
「だったら、『声』を出させなけりゃいいでしょ」
「ボクは、『曲がったことが嫌い』なんだ」
「だから、他の部屋の迷惑になるようなことは初めからしなけりゃいいのよ!」
(続く)
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