2018年4月28日土曜日

【曲がったことが嫌いな男】石原プロに入らない?入れない?[その72]



「エヴァさん、曲がれるよね?」

列のすぐ前にいた女性が振り向いて云ったその言葉を聞いた時、エヴァンジェリスト氏は、『テロ』は『犯罪』だが、『戦争』は必ずしも「犯罪』ではないという、『曲がったことが嫌いな男』である彼には理解できない考えが後に出てくることを、まだ知らなかった。


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「そこに山があれば登るんだ」
「アタシは、山じゃないわ」
「いや、気には素敵な『山』が二つある」
「バカ!」

しかし、エヴァンジェリスト氏は、女性の罵言を無視し、『山』に顔を埋めていった。

1983年、上池袋の『3.75畳』の下宿に高熱の看病を理由に連れ込んだ『女』を自らの布団の中に引きづり込んでいたのだ。

「☆!※♯£⊆%」

『山』が、鳴った。

「しっ!静かに!『声』が他の部屋に聞こえると迷惑をかける」
「だったら、『声』を出させなけりゃいいでしょ」
「ボクは、『曲がったことが嫌い』なんだ」
「だから、他の部屋の迷惑になるようなことは初めからしなけりゃいいのよ!」






『山』に登り始めて途中で止めるなんて『曲がったこと』はできない」
「この屁理屈男!」

しかし、女性は、それ以上、エヴァンジェリスト氏に逆らわなかった。なんだかだと云って、女性は、エヴァンジェリスト氏のことが愛おしかったのだろう。

『山』は、鳴った。

「☆!※♯£⊆%」

その『山』『哭き声』が、他の部屋に聞こえたかどうかは、定かではない。

他の部屋の住人たちが、押入れに半身を入れ、天井に耳をすませていたかもしれないが、『山』登りに夢中なエヴァンジェリスト氏には、そこに気を使うことができなくなっていた。





『山』も荒々しい『登山者』を受け止めるのに、必死で、

「☆!※♯£⊆%」

いう自らの『哭き声』の音量を調節する余裕はなかった……..


(続く)



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