2019年2月17日日曜日

【設立?】ビエール・トンミー氏を応援する会[その14=最終回]







「君は、君の講演を聴く若い人たちに云いたいのだ。『貴方たちが、私の講演を聴く目的は何であるのか?』と」

iPhone X でiMessageを打つビエール・トンミー氏の親指は、一種の凶器となっていた。

「(ああ、もういいから!『ビエール・トンミー応援会』のことはもういいから!)」

友人の『攻撃』にエヴァンジェリスト氏の動揺は、極限に達しようとしていた。

君は、君の講演を聴く若い人たちに云いたいのだ。『貴方たちが、私の講演を聴く目的は、この場にいることではないはずだ。私の講演を聴いて何か得るものがあれば、それでいいのだ。その為には、講演会場を出て行こうと、居眠りしようと構わぬではないか』と」
「(止めてくれえええ!)」
「君は、君の講演を聴く若い人たちに云いたいのだ。『カタチに囚われるな。世間は、会社は、上司は、大人たちは、君たちにカタチを強いる。そして、君たちは、今の若い人たちは、そのことに疑問を持たず、いや、疑問を持ったとしても、それを面に見せず、黙して従う。それでいいのか?それで、本当にいい仕事ができるのか?それで本当にいい社会を作れるのか?世の中は、本当にそれでよくなるのか?』とな」
「(君は、怖ろしい男だ…..)」
「君は、そんな考えを噯気にも出さず、『カネ、カネ,カネ!』と叫ぶ。この偽悪者めが!」
「(いや、僕は、僕には『カネ』が必要なんだ…..)」
「もういいさ。分った。ボクが、会長になってやろう!」
「(え!?)」
「ボクが、『エヴァンジェリスト応援会』の会長になってやろうではないか」
「(え、え、え、ええーっ!)」
「そして、君への講演依頼は、ボクが受け、マネージメントをしてやろう」
「(おおー!)」
「講演にも随行してやろうではないか。そうすれば、ボクも日本各地を旅できるしな」


「(おお、友よ!我が友よ!)」

ビエール・トンミー氏は、右手に持つiPhone X を通して、友の涙を感じていた。


(おしまい)




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