(住込み浪人[その3]の続き)
「幸い、皆実高校(広島県立広島皆実高校)の同級生がいないからよかったものの….」
浪人生ビエール・トンミー青年は、首を横に振った。
「浪人生が、どうして大学構内の庭掃除をしないといけないんだ!」
ハンカチ大学構内にある『寮』の入寮条件の一つとして、『大学構内の庭掃除をすること』というものがあったのだ。
「大学生活を謳歌する同世代の現役学生を横目にしながら、構内の庭掃除をすることで感じる屈辱感をバネに浪人生活を頑張らせよう、ということかもしれないが、あれでは、まるで『住込み』だ。そうだ、『住込み浪人』ではないか!」
しかし、前年は、その屈辱感は、ビエール・トンミー青年には効き目がなかった。
「その『住込み浪人』を、どうして、OK牧場大学でしないといけないんだ!」
(続く)
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