2019年2月23日土曜日

住込み浪人[その6]







「あ..」

と声を発したが、ビエール・トンミー青年は、『そのまま』部屋を出て、OK牧場大学の『住込み浪人』用の『寮』の共同台所に向った。

「まあ、これを誰もパジャマだとは思うまい」

『住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、パジャマを着たまま、部屋を出たのだ。彼のパジャマは、所謂パジャマパジャマしたものではなく、茶色で、ジャージに近いものであったのでパジャマとは見えないといえば、そうであったかもしれない。


「うっ!」

台所の入口で、ビエール・トンミー青年は、思わず唸った。

台所には、他の『住込み浪人』が二人いた。そこは、『住込み浪人』用の『寮』なのだから、それ自体は不思議ではなく、驚くことではなかった。

「(何をしているんだ?)」

台所には、他の『住込み浪人』が二人だけではなく、明らかに『寮』生ではない男、つまり『住込み浪人』ではない若い男が、1人いたのだ。

「君たちねえ…….」


(続く)



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