「アータ、どうしたの、ボーッとして」
マダム・トンミーが、お尻を後ろに引いた妙な姿勢をとる夫に声をかけた。
「お腹でも痛いの?なんか、屁っ放り腰よ」
「いや…..いや、なんでもない」
「『アジパンダ®』ショップに行きましょ」
『アジパンダ®』ショップは、『うま味体験館』内にある店だ。そこでしか入手できない『アジパンダ®』グッズがある。
「ああ、そうだね」
ビエール・トンミー氏は、腰を引き気味のまま、店内を歩いた。
『アジパンダ®』ショップには、定価の1割引で買える味の素の商品もある。もっと安くなっているものもあるようであったが、股間が気になるビエール・トンミー氏には、商品は目に入っていなかった。
「まあ、ご主人、やはり『ユキ』のこと好きなんですのね、私なんかより」
商品棚の向こうから、『内田有紀』に酷似した女性が『声』を掛けてきた。
「(いや、そういうことではなくって….)」
「だって、股間が『反応』してますわ。『ユキ』の言葉で」
「まあ、そうなのねえ。嫌だわあ!」
『松坂慶子』に酷似した女性も『アジパンダ®』ショップにいたようであった。
(続く)
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