「しかし、しかしだ。君は、『己を見る』男だ。私が、修士論文『フランソワ・もーリック論』で論じた『己を見る』ことのできる男だ」
エヴァンジェリスト氏は、したり顔なiMessageを送り続けてくる。
「(しかし、『己を見る』ことは、辛いことなのだ)」
ビエール・トンミー氏は、自らの股間と同様に項垂れた。
「そうだ、君は知っていた。あのカルチャーセンターの●●●子先生の講義の受講申込が可能であったとしても、最終的に申込を完了することが自分にはできないことを」「(ああ、そうだ。ボクには出来ない…..)」
「君は、自分が『ヘンタイ』であることを●●●子先生に悟られることを、ひょっとしたら警察に通報されることを怖れ、本当には受講申込をすることができない『己を知っている』」
「(先生にはもう、ボクが『ヘンタイ』であることはバレているかもしれない。そうであれば、それはそれで、もう先生の前にこの身を出すことはできない)」
「受講申込はできず、しかし、●●●子先生に会いたい気持ちは抑えられない。いや、受講申込みができず、●●●子先生に会えないと思うと、会いたさはいや増すのだ」
「(んぐっ!)」
ビエール・トンミー氏の股間は、●●●子先生の像を思い浮かべ、『異変』が生じた。
(続く)
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