(住込み浪人[その8]の続き)
「あれ、ひょっとしてビエール君かい?」
OK牧場大学の1年生が、声を掛けて来た。
「(マズイ!)」
『住込み浪人』ビエール・トンミー青年は、踵を返して、OK牧場大学の『住込み浪人』用の『寮』の共同台所前から去った。
「マズイ!マズイ!.......『オコガマシイ』って、どう書くんだったけ?」
『オコガマシイ』を漢字でどう書くのか、分らない。分らないのに、あのまま共同台所に入って行ったら、あのOK牧場大学の1年生に馬鹿にされるのだ。
「しかも、ボクは同い年ではない」
ビエール・トンミー青年は、二浪目であったから、あのOK牧場大学の1年生より一つ歳上だ。
「あの生意気な若造に馬鹿にされるなんて….」
だが、お腹が空いていたので、『そのまま』、つまり、パジャマを着たまま、OK牧場大学の『住込み浪人』用の『寮』を出た。
(続く)
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