2020年2月27日木曜日

うつり病に導かれ[その28]






「(クダラナイ画像だが、実は似ていた…)」

と、iPadで開いた『プロの旅人』というBlogを見ながら、ドクトル・ヘイゾーは、美少年だった自らの高校生時代を思い出した。

「(『怪人』という言葉も引っかかった…)」

同級生の誰も知らないことであったが、下校すると、自分の部屋に籠って文章を書いていた。

「(両親も兄たちも知らなかったはずだ)」

書いていたのは、小説であった。

「(医者になんかなるつもりはなかったんだ)」

父親は開業医だった。急病の人がいると夜中でも出掛けていく父親を見て、医者の大変さは知っていた。


「(兄は二人とも医大に通っていたし)」

両親からも医者になることは期待されていなかった。

「(北杜夫が好きだった)」

Blog『プロの旅人』の登場人物エヴァンジェリスト少年が、遠藤周作の影響を強く受けたことに、妙な親近感を覚えたのはそのこともあるだろう。周知の通り、北杜夫と遠藤周作とは親しかったのだ。

「(書いた小説の題名は、『怪人ジバコ』だった)」


(続く)



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