(うつり病に導かれ[その26]の続き)
「(『桃怪人』かあ……)」
と呟くと、ドクトル・ヘイゾーは、iPadを診察室の机に置いた。
「(くだらんBlogだ)」
机に置かれたiPadの画面には、『そう、アレは『桃怪人』よ」….【ビエール・トンミー氏の優雅な老後】』というタイトルがつけられた文章があった。
「(何なんだ、この男は!如何にも『変態』じゃないか!)」
その文章の途中に妙な画像があった。ピンクの帽子というか、ハットと云った方がいいものを被り、黒いサングラスを付け、口の上と顎とに白髪混じりの髭がある。
「(だが……どこか、オレに似ている。オレも実は『変態』だし)」
しかし、その『桃怪人』のBlogには、その前身とも云うべき『怪人』まで登場しているのだ。そして、『怪人2号』とか『桃怪人2号』、更には、『怪鹿』、『怪女』まで登場する。もう滅茶苦茶だ。
「(『怪人(1号)』と『桃怪人(1号)』が同一人物なのは明らかだ。ビエール・トンミーとかいう男だろう。しかも、その男は、『エロ仙人』なるものにまでなるのだ)」
とは思うものの、どこか惹かれるところがあるBlogだった。
「(何故、こんなくだらないとしか云いようがないBlogを毎日、チェックするようになったんだろう?)」
そうだ。ドクトル・ヘイゾーは、『プロの旅人』という小説のような、駄文のような、BlogでないようなBlogを、毎日、開いてしまっているのだ。
「(あんな検索さえしなけりゃな)」
或る日、ドクトル・ヘイゾーは、テレビ番組で、讃岐うどんは食べるのではなく、飲むものだ、と云っているのを見て、ネットで『讃岐うどん 飲む』と検索してしまったのだ。すると、
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讃岐うどんは、飲む! - プロの旅人
2011/07/04 - エヴァンジェリスト氏が、神の使いとも思えぬ妄言を吐く「人間」であることは知っていたが、お下劣でもあるとは知らなかった。 「讃岐うどんは、飲むんですよ」. 久しぶりに訪れた高松で、一緒に出張したローラク・クイーン13世に云った氏のその ...
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というなんとも珍妙な表示の検索結果もあり、ついつい、それをクリックしてしまったのだ。
(参照:讃岐うどんは、飲む!)
すると、そこには、
『うどんを飲むってねえ、食欲を満たすって云うよりも、肉体的な快感を覚えさせるんですよ』
とか
『喉が欲しがるんですよ。喉が』
といった巫山戯た、いや、お下劣なことが書かれていたのだ。
「なんじゃこりゃ!」
と思いつつも、『プロの旅人』の他の回も見てしまったのだ。
(続く)
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