「まあ!」
マーケティング部の新システム稼働開始の打上げをしている居酒屋で、新システム稼動の功労者として、新システムを開発したシステム開発部のビエール・トンミー氏と共に並んで紹介されていた『マダム・トンミーとなる前のマダム・トンミー』は、ビエール・トンミー氏から『これからもずっとタッグを組んで欲しい』と云われ、照れて俯いた。で、その時、見た。
「(まあ!)」
乾杯前のビールを入れたコップで隠されていたビエール・トンミー氏の股間に、膨らみを目撃したのだ。
「(これね!やはり、そこに凶器を隠してらっしゃるのね!)」
と、マダム・トンミーの視線が、自らの股間に据えられているのを知ったビエール・トンミー氏は、慌てて、
「いや、これは、その…」
ビールをより股間に近付けた。
「(やっぱり一戦を交えたい!)」
と思うマダム・トンミーの顔面は、耳まで真っ赤になった。
「(君のせいなんだ!んもう!君と一戦を交えたい!)」
ビエール・トンミー氏も、マダム・トンミーが思ったのと同じ言葉を、でも少々違う意味合いで、心の中で叫んだ。
(続く)
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