「(まさか、リングにまで仕掛けをしていたなんて、トンミーさん、アナタっていう人は!)」
『マダム・トンミーとなる前のマダム・トンミー』は、『逆さクラゲ』の部屋のベッドをプロレスの円形リングと捉え、そこに押し倒され、更にそのベッドが、いや、リングが、回転することに驚愕した。
「(こんな仕掛けをしていいの!?ええ、いいのね!それがプロレスね!)」
回る天井に眩暈を覚えながら、マダム・トンミーは、思った。
「(そう、トンミーさんなら、何をやってもいいのね。前田日明が、『猪木だったら、何をやっても許されるのか』と云ったけど、いいのよ、猪木さんなら!いいのよ、トンミーさんなら!)」
マダム・トンミーは、彼女に対して、口を口で塞ぐ『窒息技』や、臀部と同時に『胸』に対してクロー攻撃を掛け、更に、リングを(実際にはベッドであったが)回転させる程、創意に満ちたビエール・トンミー氏に、次々と既成概念を打ち破ってきたアントニオ猪木を見ていた。
「(でも、私、相手が猪木さんでも、トンミーさんでも負けないわ!)」
と、彼女自身も『闘魂』を燃えさせようとした、その時であった。
(続く)
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