2017年6月17日土曜日

【野獣会、再び?】六本木に『ケダモノ』、現る!(その11)



毎週木曜日の朝に、会社で外国人との英語での電話会議に苦しむ人間鹿こと、アオニヨシ氏が、英語力を見つけるなら『ピロー・トーキング』だと云うエヴァンジェリスト氏の助言に従い、『ピロー・トーキング』を求めて六本木の夜に繰り出し、ブロンド『YOU』や赤毛の『YOU』、ブラック『YOU』たちから、『レッスン』を受けるようになった。

『YOU』たちは、『レッスン』の場であるホテルのベッドの上で、人間鹿に対して、叫ぶのであった。

「You are beast!」

こうして、六本木に『野獣会』復活、と云う噂が流れるようになり、その噂を聞きつけ、『野獣会』入りを目指して夜の六本木に来る若者たちがいた。

自分の『ケダモノ』を持て余している若者たちである。




==========================


「Why did you come to Japan po?」

と話しかけられたブロンド美女『YOU』は、怪訝な顔をして、足を早めて、地下鉄の入り口へと立ち去った。

Where are you from po?」

と話しかけられたスタイル抜群の黒人女性『YOU』は、

Po ??? Are you pigeon?」

と声をかけて来た男に質問を投げ返したものの、返事を聞こうともせず、アマンド前から六本木一丁目方面に下って行った。

男は、それでも懲りずに、女性『YOU』に声をかけていった。

しかし、足を骨折し、松葉杖をつき、妙なメガネをかけ、妙な英語で迫る男を相手にする女性『YOU』はいなかった



男は、噂を聞いたのであった。

六本木に伝説の『野獣会』が復活したというのだ。

昭和30年代、田辺靖雄を中心として、ムッシュかまやつ、井上順、中尾彬、峰岸徹、小川知子、大原麗子らをメンバーとした遊び人のグループ、あの『野獣会』だ。

その『野獣会』に入るには、『YOU』に『ケダモノ』に認定される必要があると噂されているのだ。

しかし、なかなか『成果』は上がらず、男は新手を考えた。

I have a pen po. I have an apple po…..」

と流行りの身振り手振りで迫ってみたところ、

「Oh, po!Pico po!」

東南アジア系と思しき女性『YOU』に受けたのだ。

「Hotel lesson, OK po?」

と直接的に誘ったところ、

「OK po! Let’s go po !」

と意外な反応であった。

男には自覚がなかったようだが、フィリピンに仕事で2年程滞在している間に、少しは英語を喋ることができるようになっていたと思っていたのだ

確かに、少しは英語を喋ることができるようにはなっていたが、その英語は『taglish』であったのだ。いや、正確には『taglish』風訛りと云った方がいいであろう。

『taglish』は、タガログ語(Tagalog) と英語(English) が混ざった言葉である。

男がマスターしたのは、『taglish』ではなく、英語の語尾にタガログ語の『po』をつける訛った英語であったのだ。

I have a pen po. I have an apple po…..」

と流行りの身振り手振りで迫られた『YOU』は、フィリピン人であったのであろう。

『po』を連発する妙な日本人に懐かしさを覚えたものと思われる。

「OK po! Let’s go po !」

と意外な反応をしたフィリピン女性『YOU』と骨折男は、『lesson』の為にホテルに向った。

……………1時間後。

骨折男は、ホテルの窓から夜の六本木を眺めていた。

「ふーっpo

口から吐いたため息の先に幾つものネオンが瞬いていた。

「You are not beast po  You cannot become beast po!」

『レッスン』場としたベッドの上で、フィリピン女性『YOU』は叫んだのであった。

そして、フィリピン女性『YOU』は、ホテルの部屋のドアをバーン!と締め、出て行ったのだ。

「オレ、『野獣会』に入れないのかなあ po…..」

と項垂れた男は、パンツを脱いだ自身の下半身を見た。

そこには、包帯が巻かれたアソコがあった。

年末に北海道で趣味のスキー・ジャンプをした際に、着地に失敗し、骨折したのであったが、その際に、アソコも『骨折』したというか、少々傷つけてしまったのだ。

フィリピン女性『YOU』が、

「You are not beast po  You cannot become beast po!」

と云うのも無理はなかったのだ。

骨折男は、頭の中だけ『ケダモノ』になり、自身のアソコの状態を忘れていたのだ。

だが、懲りない男は、ある意思を固めた。

「リハビリするぞ po!リハビリして、オレは『野獣』になる po!オレは必ず『野獣会』に入る po !」

しかし、果して、アソコをどのようにしてリハビリするのであろうか。



(続く)




0 件のコメント:

コメントを投稿