年末に北海道で趣味のスキー・ジャンプをした際に、着地に失敗し、足を骨折した男は、フィリピン女性『YOU』に、
「You are not beast po You cannot become beast po!」
と云われ、ある意思を固めた。
「リハビリするぞ po!リハビリして、オレは『野獣』になる po!オレは必ず『野獣会』に入る po !」
しかし、果して、アソコをどのようにしてリハビリするかは不明であった。
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「質問しても宜しいでしょうか、エヴァさん?」
エヴァンジェリスト氏が、自宅から持参した昼食の弁当を食べ終えると、向かいの席からヒルネン氏が、声をかけてきた。
「ああ?.....事務所を通してくれ」
エヴァンジェリスト氏はまだ20歳台の若い後輩に対してつれなかった。
「あの事務所って、どこのですか?」
いつもは愛想のいい先輩なのに、どうしたのだろう?
「ノーコメントだ」
しかし、ビルネン氏は、怯まなかった。
「教えて欲しいんです」
普段なら、ヒルネン氏は、昼寝をしている時間だ。その時間に、つれない先輩に食い下がるとは、それ程に訊きたいことがあるのだろう。
「ティムは、まだ公式には何も発表していないはずだ」
「ティム?......ひょっとして、ティム・クックのことですか?『アップル』の」
「まき子夫人も渡さんも、公式発言はしていないであろう」
「石原プロのことですか?」
「桑田さんも、松本さんも、迂闊なことを口にする人ではないぞ」
「誰ですか?桑田とか、松本とか?.......テレビのプロデューサーかなんかですか?」
「うっ……..ノーコメントだ。事務所を通してくれ」
エヴァンジェリスト氏が何を云いたいのか、或いは、何を言いたくない振りをして実は何か云いたいのか、分らなかったが、ヒルネン氏は、質問をぶつけた。
「亀は『野獣』でしょうか?」
「はあああ?」
エヴァンジェリスト氏は、想定もしていなかった質問に思わず反応してしまった。
「もし、亀が『野獣』ではなかったとしても、ガメラのようになれば、『野獣』として認められてもいいにではないでしょうか?」
お昼休みはいつも、机の下に足を投げ出し、椅子に背中滑らせ、寝そべって、亀のように首を机の下に隠すようにしているヒルネン氏が、この日は、亀のようにエヴァンジェリスト氏に向け首を伸ばして、食い下がった。
「亀だって、『野獣』になりたいと思っていると思うんです!」
噛みついたら放さないつもりだ。スッポンのようだ。
「ヒルネン、君は一体、何者だ?何を企んでいるのだ?」
自分が訊かれたくない話を持ちかけてきたのではないと分ると、エヴァンジェリスト氏は反撃に出た。
「はっ!?......いえ、何でもありません」
「そんなはずはないだろ。君は亀なのか?『野獣』になりたいのか?」
「ノーコメントです。ノーコメント!事務所を通して下さい!」
そういうと、ヒルネン氏は、いつものように首を縮め、机の下に隠したのであった。
(続く)
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