「電鉄会社が、『セブンイレブン』なんかのコンビニと手を組むのは、双方にメリットがあるからなんだよね」
『大師線』のホームに停車した『小島新田』行の電車に乗り、座席についたビエール・トンミー氏は、妻よりも10歳も歳上らしく、先生然とした言葉つきで解説した。
「(ああ、気のせいだったんだ…..『松坂慶子』が川崎にいる訳ないし、いたとしても、『松坂慶子』に睨まれる覚えはないんだ)」
『松坂慶子』の射るような視線から解放されて、ビエール・トンミー氏は、落ち着きを取り戻していた。
「アータって、本当に物知りねえ」
「いや、普通だよ」
「会社をリタイアしてもう5年も経つのに、アータったら今でも、深夜まで勉強してるんだもの」
「…..ん…..まあ、ボケ防止さ」
「ボケないで。でも、ボケてもアタシがずっと面倒を見てあげるう」
「(いやあ、ドキッとした。深夜、勉強なんかしてないんだ….)」
そうだ。夫人が眠りに落ちた深夜、ビエール・トンミー氏は、iMac
上のWindowsで、色々な『画像』や『動画』を見たり、最近は、そう、HDレコーダーに録画した朝ドラ『まんぷく』をテレビで繰り返し見ているのだ。
『まんぷく』は、NHKのBSプレミアで朝7:30から見た後、NHK総合で8:00から、また見る。更に、NHK総合で12:45からも見る。最後は、NHKのBSプレミアで23:30から見る。
でも、深夜、また録画した『まんぷく』を見るのだ。
それは………
(続く)
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