「アータ、横に立って」
あのご婦人が気になったが、ビエール・トンミー氏は、『味の素うま味体験館』の受付の左手にいる『AjiPanda®️』の横に立った。
「(『有紀』さん…..)」
「どうしてパンダなのかしら?」
「え?」
「ま、可愛いからどうでもいいけど」
「うん」
ビエール・トンミー氏は、気の無い返事をしていたが、突然、カッと目を見開いた。
妻の背後に、あのご婦人と娘がいたのだ。一瞬、こちらを見て微笑んだように思えた。
「ママ、アタシも『アジパンダ』と写真撮ってえ」
娘が『内田有紀』におねだりをした。
「よろしいかしら?」
『内田有紀』が妻に声を掛けてきた。
「(えっ!)」
鼓動が早く、『腫れ』も再び激しいものとなった。
(続く)
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