「あら、可愛らしいお嬢さんねえ」
マダム・トンミーは、『内田有紀』、いや、『内田有紀』に酷似した女性の娘に微笑みながら、声を掛けた。
「いえ、ご主人様こそ素敵でいらっしゃるわ」
『内田有紀』は、ビエール・トンミー氏に意味深な(ように見える)笑みを向けた。
「(え、え、ええ!...あ、あ、ああ…『腫れ』があ!)」
ビエール・トンミー氏の頬は、『味の素うま味体験館』の『AjiPanda®️』の赤よりも赤くなった。
「いえいえ、おじいちゃんですわ、もう。ふふ」
妻と『内田有紀』が会話をしている。その時、視線に気付いた。
「(え?)」
『内田有紀』の娘だ。『内田有紀』に酷似した女性の娘が、ビエール・トンミー氏を見上げるように凝視めていた。
「(え!?『有紀』さん….?)」
ボーイッシュであった10代の『内田有紀』かと思えたのだ。母娘なのだから、『内田有紀』の娘が『内田有紀』にそっくりでも不思議ではない。
「(まるで、『有紀と太陽と月と』の頃の『有紀』さんだ)」
10代の『内田有紀』の視線に戸惑っていると、『シアター』の時間となった。
『内田有紀』が、娘に声を掛けた。
「『アジパンダ』との写真は後にしよ。シアターに行きましょ、ユキ」
「!!!!!」
(続く)
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