『大師線』の電車は、六郷橋辺りを通過すると、少し右に曲がる。
「…..!」
その時、隣の車両に見えたのだ。
「(『有紀』さん…….)」
そうだ。ビエール・トンミー氏は、電車が少し曲がったお陰で、隣の車両に『内田有紀』を見たのだ。南武線の中で見かけた『内田有紀』に酷似したご婦人だ。娘らしき中学生も一緒だ。
「(『有紀』さん…….)」
妻に六郷橋の解説をしている内に、おさまりかけていたアソコの腫れがまた起き始めた。
そして、車両が今度は左に曲がろうとしたその時であった。
「(ううーっ!)」
『内田有紀』がこちらを見たのだ。眼が合った!
「(ううーっ!)」
だが、車両が左に曲がり、隣の車両と真っ直ぐに連結されるようになると、また『内田有紀』の姿は見えなくなった。
「(『有紀』さんは、微笑んできた….ような気がした)」
気持ちは、小学生並みの興奮であったが、体は、大人な興奮を見せていた。
「(ううーっ!)」
ビエール・トンミー氏の『腫れ』は増していったが、電車は速度を緩めた。
(続く)
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